Project/Area Number |
22K04477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
丹羽 菜生 中央大学, 研究開発機構, 機構准教授 (30792535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 晋一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (00574659)
秋山 哲男 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (10094252)
綾屋 紗月 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (40641072)
緑川 晶 中央大学, 文学部, 教授 (90421833)
丹羽 太一 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任研究員 (80963107)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 発達障害者 / 主観評価 / 生体評価 / 感覚過敏 / 感覚回避 / 搭乗体験会 / カームダウン・クールダウンスペース / 合理的配慮 / インクルーシブデザイン / 視空間認知障害 / 建築環境 / 床デザイン / 錯視 / 生体反応 / アイトラッカー / アクセシビリティ / 目に見えにくい障害 / 認知症 / 自閉スペクトラム症 / 社会的障壁 |
Outline of Research at the Start |
本研究では空港を事例とし、脳の機能の障害の当事者を中心とした調査を通じ、実際の公共建築等の施設を利用する際に感じている困難を、施設内での一連の移動全体の中で捉え直す。更に他の身体障害者の困難とも比較しながら、それらを認知の特性と建築空間との間で起こる問題として整理し、原因を建築環境側の問題(社会モデルにおける障害=社会的障壁)と位置づけ、その発生構造を明らかにする。その上で環境の問題解決と必要な人的支援を合わせて、総合的にインクルーシブな建築デザインに対する提案を行い、認知特性によらない、より多様な人が安心して利用できる施設計画のあり方を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)感覚処理特性がある人を対象とした落ち着ける場所に関わる主観評価と生体評価による緊張度の変化の検証 / 感覚過敏や感覚回避が高い人には、落ち着ける場所は、その存在が心理的、物理的障壁の除去として一定程度有効であるが、自身の感覚状態を内省して自己方策等によって対応が可能な者にとっては、それ以上に自己方策が効果的であることが示された。緊張や不安の除去の方策として、感覚状態を内省して自己方策などを知ること、それが難しいような場合、こうした場所は貢献しうるということが示された。 (2) 感覚過敏特性のある一学生にみる移動経路の選択条件ー困難と回避場面における騒音指標と主観評価の関係のケーススタディ/ 音や光、人混み、他人の存在など、さまざまな環境を要因とする感覚過敏特性がある一学生を事例として、通学経路での困難場面と回避場面での主観評価を騒音指標に重ね、環境音による移動経路の選択条件を探った。結果、場面によっては騒音レベルの曝露量に対して不快感評価が高い、あるいは低いなど、物理量対心理量が必ずしも一致しないことが確認された。騒音レベル以外の音の質なども不快感評価に影響を与える場合があることが示唆された。 (3)訓練施設を用いたモックアップ検証と実際の空港を利用した搭乗体験会、モニター旅行に関わるプログラムの検証 / 実際に近い場面で障害当事者側が事前に不安の所在を明らかにし、事業者側がより個々に応じた合理的配慮の提供を行うための方策案を示す。結果、双方の役割を明確にすることにより、不安回避がスムースにできるようになることが示された。事業者側と当事者が一緒になって体験することが重要で、その中で双方が役割を果たすことで合理的配慮の提供が達成され、不安や困難の軽減につながり、さらには今後の旅行へもつながることが示された。 (4) 他、職員教育を目的としたセミナーを新千歳空港、羽田空港にて開催する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に実施予定であった問題の分析と発生構造の解明の為の建築環境の調査と検証において、(1)実際の空港においてスペースを設置して当事者検証を行ったという点、(2)さまざまな感覚過敏がある人を対象とした移動経路における曝露量と不快感評価を行ったという点、さらに(3) 実際の航空機利用を目的とした空港利用から当事者調査を行ったという点などから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)で実施した内容をもとに、感覚過敏がある人にむけたセンサリーマップの作成やセンサリールームの設置に向けた調査を行う。(2)については、さらに不快感評価の要因を掘り下げていくことにより、安心した移動経路の確保に繋げていく。(3)については、今年度も継続し、より多様な障害者の不安や困難の所在やその軽減方策や課題への対応案の妥当性の検証を行う。発達障害者を対象とした航空機利用については、海外の状況把握も重要になる。最終年となる2024年度は、これまでの研究をもとに、空港に関わる事業者への発達障害の障害特性の理解を促すためのセミナーを実施するとともに、海外の比較調査なども追加して実施する(一部、研究計画変更)。
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