江戸時代における静岡浅間神社「二階拝殿」の建築形式・技術と駿府社会
Project/Area Number |
22K04510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
新妻 淳子 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 准教授 (20814172)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 静岡浅間神社 / 二階拝殿 / 江戸時代 / 建築形式 / 建築技術 / 駿府 / 日記 / 工匠 / 建築普請活動 |
Outline of Research at the Start |
江戸時代の静岡浅間神社を特徴付ける「二階拝殿」の建築形式と建築技術について古文書・古絵図による人文学的成果と、保存修理事業と連携した建築調査による科学的成果を合わせて検証し、「二階拝殿」の特異な建築形式と安政東海地震に耐え抜いた高度な建築技術を解明する。その背景にある駿府の建築普請活動の中でも持続可能な社会の仕組みに着目し、歴史学・民俗学の視点も加えた駿府社会の基礎構造を紐解き、神社境内における「二階拝殿」という存在に留まらす、駿府城下町や駿河国、富士山まで俯瞰した景観や都市研究に発展させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
静岡浅間神社を特徴付ける「二階拝殿」(神部神社浅間神社拝殿)の建築形式と建築技術を中心に据え、建築普請の背景にある駿府社会について解明するために、造営関係史料及び古絵図の調査・撮影・分析、駿府破損方による60余年の現場記録『御再建場所日記』の翻刻・分析を進めた。歴史学・民俗学の専門家の協力を得て、江戸後期再建の役人組織や町方・村方の関わり、建築資材の確保と調達について、各方面から研究を進めている。「二階拝殿」の建築技術については、静岡浅間神社及び保存修理工事現場の協力を得て、再建史料と「二階拝殿」の建築との比較・分析を行った。 初年度目の研究実施状況は①~⑧の通り。 ①造営関係史料(寛永大造営及び江戸後期再建)調査・撮影、大型古絵図(天正・寛文・延宝境内図、祭礼図(建築平面等の書込有))調査・委託撮影を行った。②『御再建場所日記』の翻刻作業を進めた。(文政3~8年(5冊))③静岡浅間神社及び静岡浅間神社総合研究会の協力を得て、建造物調査1回、史料調査7回、大型古絵図委託撮影及び調査3日間、Zoom研究会11回を実施した。④静岡浅間神社江戸後期再建の大工棟梁家史料の調査・撮影を行い(6日間)、継続予定。⑤静岡浅間神社江戸後期再建は、江戸中期の火災で失った寛永期の姿を再現するために行われたと伝わっている。どのような方針で再建されたのか、上記史料から「二階拝殿」に着目して分析し、研究成果をまとめた。(日本建築学会大会にて発表予定)⑥静岡浅間神社総合研究会子ども講座2022「静岡浅間神社なぞとき講座」を開催した。⑦日本建築学会東海支部歴史意匠研究懇談会にて研究成果を発表した。「江戸後期駿府における建築普請活動-静岡浅間神社を中心に」⑧第4回静岡浅間神社総合研究報告会「御再建場所日記が描く駿府と近世社会」にて「駿府の重層建築 静岡浅間神社「二階拝殿」」について発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究を推進するための静岡浅間神社所蔵の造営関係史料及び古絵図の写真撮影は順調に進んでおり、江戸時代における「二階拝殿」を中心に分析を進めている。 『御再建場所日記』の翻刻作業は、当初計画以上に進んでいることで、歴史学・民俗学の研究者の協力を得て、江戸後期再建の背景(駿府社会)について多角的に分析することが可能となっている。 江戸後期の静岡浅間神社再建に携わった大工棟梁家の史料調査の機会を得ることができた。当家は村方の大工で、駿府城下の建築普請に関わる史料等が伝来しており、大工棟梁の活動についての実態を解明することが可能となったのは、大きな進展である。 研究成果の発表の機会を3回得ることができ、その際の質疑や他分野との共同研究を踏まえて研究を推進した。
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Strategy for Future Research Activity |
静岡浅間神社所蔵の造営関係史料及び古絵図の調査・写真撮影、大工棟梁家史料調査・写真撮影、『御再建場所日記』の翻刻作業を継続して実施し、研究を推進する。 「二階拝殿」(神部神社浅間神社拝殿)の保存修理事業と連携して建造物調査を実施の予定。 静岡浅間神社所蔵史料のデータベース構築についての検討。 ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHIのプログラム「日本建築のヒミツ~静岡浅間神社の古文書・建築・匠の技から発見!」を開催予定。 古絵図を起点とした歴史学・民俗学の研究者との共同研究を進め、静岡浅間神社総合研究報告会にて一般市民へ研究成果を発表する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)