国際的交叉からみた「民藝」の反近代/近代性に関する建築思潮の再構築
Project/Area Number |
22K04518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉山 真魚 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70625756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千代 章一郎 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (30303853)
田所 辰之助 日本大学, 理工学部, 教授 (80289959)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 民家 / 原型 / 民俗 / 身振り / 農家 / 茶室 / 民藝 / 近代建築 / アーツ・アンド・クラフツ運動 / シャルロット・ペリアン / ブルーノ・タウト / 蔵田周忠 / 柳宗悦 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、昭和初期日本の民藝運動と近代建築の関わりを国際的な広がりにおいて捉え、「民藝」の反近代性と近代性の内実を明らかにしながら、工芸と建築を貫く原理や実践に基づいて近代建築思潮の再構築を企図するものである。具体的には、①初期アーツ・アンド・クラフツ運動と民藝運動、②民藝運動と来日した西洋近代建築家(ブルーノ・タウト/シャルロット・ぺリアン)、③民藝運動と日本近代建築家(分離派建築会/吉田鉄郎/坂倉準三)、④民藝運動と1920年代以後のアーツ・アンド・クラフツ運動という4つのテーマを設定し、文献調査、国内外の関連工芸・建築調査、言説研究、作品研究を遂行する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2年目/4年計画)は昨年度に引き続き、①初期アーツ・アンド・クラフツ運動と民藝運動、②民藝運動と来日した西洋近代建築家、③民藝運動と日本近代建築家という3つのテーマについて、文献調査、国内外の関連工芸・建築調査、言説研究、作品研究を実施した。本年度の研究成果の概要は以下の通りである。 ①1)ウォルター・クレインの論集『芸術における理想』の解読(芸術教育の改革、装飾芸術の拡張、トルストイ著『芸術とは何か』との比較)、②1)ブルーノ・タウトの論考「日本の新建築」(1934 年)についての考察(日本の歴史的建築および近代建築へのタウトの視線)、2)シャルロット・ペリアンにおける「民俗」的なものに関する考察(人間的な空間、身振りへの着目)、3)桂離宮および修学院離宮と西洋近代建築家に関する調査、4)ペリアンと旧農林省積雪地方農村経済調査所(雪調)の関係についての山形における調査、5)ワルター・グロピウスと民藝の関わりについての分析(『グロピウスと日本文化』の解読)、③1)蔵田周忠と民藝の関わりについての考察(民藝館、柳宗悦、雑誌『民藝』と蔵田との関係)、2)蔵田周忠の民家調査に関する研究(『建築画報』1930年5月の記事「連光寺の旧家」の分析)。 主たる成果公表として、タウト、ペリアン、蔵田について日本建築学会大会にて発表するとともに、クレインの装飾芸術論について(『カルチュラル・グリーン』)、シャルロット・ペリアンの装飾論について(Japan Architectural Review)、各1編の論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は共同研究者とともに京都および山形にて実地調査する機会を設け、言説研究を通して見えてきた民藝と近代建築の関係性や反近代/近代性の問題をより具体的に共有することができた。1カ月半に一度はオンライン会議を開催し、文献資料の調査・解読、建築・工芸作品の調査・分析、論文作成に関する内容吟味を滞りなく進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究計画では、本年度より新規に民藝運動と1920年代以後のアーツ・アンド・クラフツ運動というテーマに着手する予定であったが、ワルター・グロピウスと民藝という視点が浮上し、そちらの調査・研究を優先させた。ここから展開させて、バウハウス、アーツ・アンド・クラフツ運動、民藝運動という3者の1920年代の状況を比較検討していきたい。また、蔵田周忠自身の建築作品における民藝的あるいは民家的側面についても、著作『小住宅の設計』を中心として考察を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)