Project/Area Number |
22K04521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
大上 直樹 大阪公立大学, 都市科学・防災研究センター, 都市科学・防災研究センター特別研究員 (60411732)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 表の間 / 中世社寺建築 / 木割術 / 規矩術 / 整数比 |
Outline of Research at the Start |
本研究は未だ十分に解明されていない中世以前の社寺建築の設計技法について、新たな視点で解明しようとするものである。 その手掛かりとして本研究の独創的な点は、これまではじめに決定され設計の基準と考えられてきた1枝寸法(垂木の間隔寸法)ではなく、建物の正面間口寸法である「表の間」に着目した点である。この視座により、建物の高さ(棟木下端の高さ)、天井高さ、軒の出、内法寸法、組物などの主要な寸法が、簡潔な比例関係によって導き出される可能性が見えてきたのである。本研究では多くの事例を実証的に検証することで、未解明であった中世社寺建築の木割術について明らかにしようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である今年度は、基礎資料(文献、図面調整、現地調査等)の収集・整理を重点的に実施した。また、今年度の研究成果は、次年度の日本建築学会大会(関西)に論文を投稿したほか、依頼論文、学内紀要の計3編を上奏した。 文献資料は、文化財建造物修理工事報告書の収集(古書の購入)をおこなうとともに、入手し難いものは複写をおこなって整理分類をおこなった。また、本研究においては正確な図面をもちいて様々な比例関係の検証をおこなう必要があるが、今年度は主に報告書掲載の五重塔、三間堂などの詳細図をもとにCAD図面化をおこなった。また細部の寸法が不明なものや報告書が刊行されていない建造物については、現地に赴き実測、仕様調査及び写真撮影などを実施した(広島県尾道周辺、福井県小浜周辺、愛媛県宇和島周辺、長野県長野市周辺、奈良県全域など)。 今年度作成した論文は、五重塔に関する考察をおこなったもので、設計図面が残る長野善光寺五重塔(寛政8年1796)の表の間、高さが本堂と関係性を有した値で決定されていること及び枝割について考察し、その結果については令和5年度の日本建築学会の大会で発表を予定している。また、平等院からの依頼で鳳凰堂の主要寸法の決定法についての論考を投稿した。さらに襷墨による軒の決定法について学内紀要に続編を投稿した。 その他、研究に手をつけている課題としては、表の間と内法寸法、天井高さ、棟の高さ、軒の出、破風の出等の関係性について検討をおこなっているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究資料の収集、整理については計画とおり進んでいる。 研究の進捗は今年度中に論文3編を作成し投稿済である(日本建築学会、平等院、学内紀要)。
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Strategy for Future Research Activity |
まず今年度の実績に加え引続き資料の収集、整理と論文作成を計画とおりに進めていく予定である。次年度は全体(3年間)の中間の2年目にあたり、主要な課題についての取りまとめをおこなう重要な年度となることから、論文についても積極的に計画的に作成、投稿したいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)