Project/Area Number |
22K04530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久谷 雄一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00794877)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 量子アニーリング / 数値流体計算 / 量子アニーリングコンピュータ / 流体計算 / 格子気体法 / アニーリング型量子コンピュータ |
Outline of Research at the Start |
次世代のコンピュータと称される量子コンピュータによる流体計算の実現は学術界だけでなく産業界においても期待されている.しかし,量子コンピュータがまともな流体計算に応用された例は未だない.量子コンピュータの中でも量子アニーリングコンピュータはすでに実用化されているが0と1の二値のみを扱う組合せ最適化問題に特化したマシンとなっているため,量子アニーリングコンピュータに対する流体計算アルゴリズムは未だ提案されていない.そこで本研究では,量子アニーリングコンピュータに実装可能な流体計算アルゴリズムを構築し,実際に量子アニーリングコンピュータ上で流体計算を行うことを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、量子アニーリングコンピュータに実装可能な数値流体計算手法の構築を目指している。量子アニーリングコンピュータは学術界だけでなく産業界においてもすでに実用化され始めているものである。しかし一方で、量子アニーリングコンピュータは0と1の二値のみを扱う組合せ最適化問題に特化したマシンとなっているため、流体計算を行うことが出来る量子アニーリングアルゴリズムに関する先行研究は知る限りこれまで一件しか発表されていない。その中で、昨年度は既存の数値流体計算手法の一つである格子気体法をベースに、量子アニーリングコンピュータでも計算が可能な量子アニーリングアルゴリズムを提案した。格子気体法は流体情報を0と1のみで記述する流体計算手法となっているため、0と1の二値数を扱う量子アニーリングコンピュータと相性が良いものとなっている。 今年度は、まず昨年度提案した量子アニーリングベースの流体計算アルゴリズムに関する研究成果を査読付き論文 (Computers & Fluids) に掲載し、日本航空宇宙学会主催の国内講演会において成果発表を行なった。さらに、流体計算速度の高速化を目的とし、昨年度提案した量子アニーリングアルゴリズムの発展を行なった。昨年度提案した量子アニーリングアルゴリズムは、格子気体法を「物理的な制約条件が与えられた0/1分布の組合せ最適化問題」として扱うことで量子アニーリングコンピュータに実装可能な流体計算アルゴリズムとなっている。そこで今年度はこの物理的な制約条件に加えて時間的な制約条件も考慮することで、量子アニーリングのサンプリングを複数回行うことにより収束解法を用いることなく収束解を得る流体計算手法を構築した。本研究成果に関しては、昨年12月に行われた日本流体力学会主催の国内講演会において研究発表を行なっており、現在は査読付き論文の執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は「昨年度提案した量子アニーリング流体計算アルゴリズムの高速化」であった。そこで今年度は「量子アニーリングのサンプリングにより流体計算の収束解を得る」という新たな計算手法の提案を行なった。古典コンピュータ、量子コンピュータを問わず、数値流体計算を行う際には収束計算 (もしくは時間積分計算) が必ず必要であり、この収束計算が数値流体計算の高速化に対するボトルネックの一つであった。そのため今年度提案した量子アニーリングアルゴリズムは、これまでにない全く新しい数値計算手法となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度構築した「量子アニーリングのサンプリングにより流体計算の収束解を得る」という全く新しい量子アニーリングアルゴリズムは、古典コンピュータ、量子コンピュータを問わず画期的な数値計算手法であると考える。一方で、解が得られる計算規模は非常に限られているため、今後はこの新たな計算手法の計算規模の拡大を目指す。
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