Project/Area Number |
22K04533
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 大輔 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80815803)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | 衝撃波 / 光ヘテロダイン干渉計 / 非定常測定 / 光Doppler式速度測定 / 衝撃波管 / 光ドップラー式速度計 |
Outline of Research at the Start |
近年,超音速旅客機の実現に向けた動きが国内外にて活発化する中で,衝撃波の発生に起因する空力性能の低下を改善すべく,衝撃波面の変調とそれに伴う状態量(密度・圧力・エントロピーなど)変化に関する深い理解が求められている.そこで本研究では衝撃波内部における粒子間衝突を介したエネルギー散逸課程に注目する.初めに光ヘテロダイン干渉法を活用した衝撃波内部の密度場測定手法を確立する.続いて時間変動する流れ場と衝撃波との干渉現象に関し,波面の変調を伴う衝撃波の内部構造,衝突パラメータ(衝突周波数・平均自由行程)及び背後状態量の関係を明らかとする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では平面衝撃波の伝搬に伴った熱力学的状態量(密度,温度など)の非定常変化を高時間分解能の基に測定することを目的とし,光ヘテロダイン干渉計を用いた新たな状態量測定手法を提案している.昨年度までに構築した小型衝撃波管を引き続き使用し,今年度は衝撃波の伝搬速度が1.01≦Ms≦1.1程度の弱い衝撃波を主な対象として状態量測定を実施した.測定結果の検証には従来使用されてきた圧電素子型圧力計の測定値と比較した.前述の弱い衝撃波条件を満たすべく衝撃波管の高圧室・低圧室圧力を調整し各手法にて状態量測定を実施したところ,本提案手法と圧力計との測定値がよく一致しており,Riemann問題として知られる理論解とも矛盾しないことを確認できた. 提案手法における測定精度は衝撃波の伝搬に伴う屈折率の時間変化率に比例し,レーザー光の位相変化として検出される.そこで位相の時間変化を高感度に検出すべく従来の短時間FFTに替わり離散ウェーブレット変換プログラムを新たに実装した.その結果,算出される状態量はレーザー光路上の空間エネルギー分布に依存することが分かった.昨年度のビームプロファイラ測定にて本実験におけるエネルギーの空間分布はガウス関数でよく近似できることがすでに明らかとなっている.本分布を当該データに適用したところレーザー光路上を衝撃波が横切るにつれ光路内部の屈折率が時間変化し,これを時間積分して得られるレーザー光通過後の状態量は前述したRiemann問題の理論解とよく一致することが分かった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り弱い衝撃波を対象とした状態量計測に成功したため.衝撃波の伝搬に伴う状態量変化は伝搬速度の増加関数である.離散ウェーブレット解析を用いることで伝搬速度が限りなく低い(Ms~1.01)実験条件においても理論解と矛盾しない妥当な測定結果を得られていることから,より状態変化量の大きい強い(=伝搬速度の速い)衝撃波においても同様に測定できるものと期待できる.また,昨年度のビームプロファイラによるエネルギー分布計測結果を上記ウェーブレット解析に適用し屈折率変化の時間積分値のみならずレーザー光路内の屈折率時間履歴をモデル化できた点も重要な進展と言える.これによりレーザー光の直径や光路長など実験条件に応じて変化しうるパラメータと測定しうる位相変化量とを定量的に結びつけることができ,必要な検出感度を推定できるようになった点も実用上の進展と考える.以上のような理由から本研究は現時点で「おおむね順調に進展している」と言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに確立した状態量測定手法を用いて衝撃波-後流干渉における密度場を定量評価する.干渉のない平面衝撃波では直径1mm程度のレーザー光を横切る時間はMs~1.01にて約2.5マイクロ秒であった.シュリーレン法を用いたこれまでの可視化研究により後流と干渉した衝撃波は干渉距離が増加すると共に波面が崩壊し衝撃波の実効的な厚みも増加することが分かっている.可視化画像を基にした従来の衝撃波厚さ推定に対して本研究では密度場の時間変化履歴をもとに衝撃波厚さの定量評価を試みる.続いて本手法の持つ高時間分解能という特性を活かし,デトネーション波の伝搬に伴う密度上昇を取得する.特にデトネーション波の先頭に現れるフォンノイマンスパイクと呼ばれる急激な圧力変動測定に注力する.従来の圧電素子型圧力計が有する時間分解能は1マイクロ秒程度であり当スパイクによる急激な圧力変化に追従できない.一方で本提案手法はレーザー光の位相変化に基づく状態量測定手法であることから広帯域オシロスコープとの組み合わせでナノ秒級の応答時間を達成でき,圧力上昇量をより正確に捉えることができると考える.
|