Project/Area Number |
22K04614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小柴 佑介 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 技術専門職員 (60419273)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 消火剤 / 火災 / 合成化学 / トリフルオロメチル基 / 複核化 / 使用元素のユビキタス化 / 火災安全工学 / DOPO / 消火 / 燃焼抑制 / 減災 |
Outline of Research at the Start |
住宅火災の死者数の約7割が高齢者であり,いずれ起こる南海トラフ地震での火災死者数は,最大2万人強と推定されている.また,市販粉末消火剤の有効成分はリン酸塩であるが,原料のリン鉱石には様々な資源的リスクがある.従って,リン鉱石を産出できず,地震火災リスクが大きく超高齢社会である我が国にとって,リンに頼らない高性能消火剤が希求されている.本研究では,主としてフェロセン骨格を有する様々な新規化合物を合成し,その燃焼抑制効果の評価および抑制機序の解明を行う.火災安全工学および合成化学を融合させることで,最終的に高性能化および使用元素のユビキタス化を志向した次世代消火剤の提案を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,主としてフェロセン骨格 (Fec) を有する様々な新規化合物を合成し,その燃焼抑制効果の評価およびその抑制機序の解明を行うことを最終目的とした.本研究では,次の 4 つのサブテーマ (ST) を設定した (ST-1:短鎖パーフルオロアルキル基を有する新規化合物の合成と燃焼抑制効果,ST-2:新規二核錯体の合成と燃焼抑制効果,ST-3:DOPO 基を有する新規化合物の合成と燃焼抑制効果,ST-4: B 火災に対する酢酸カルシウムの抑制効果).なお,ST-3 および ST-4 に関しては,2022 年度で研究目的を達成できたため,ここでは ST-1 および ST-2 にのみ言及する. 2 年目である令和 5 (2023) 年度においては,次の研究成果を得た.ST-1では,Amii Trifluoromethylation法で合成した Fec-CF3 を用いた消火実験を行い,その燃焼抑制効果を評価した.その結果,予想よりは低い抑制効果に留まったが,これが目的化合物である Fec-CF3 以外の混入によるものであることを明らかにした.そこで,別の方法である求電子的トリフルオロメチル化反応を用いて純度の高い Fec-CF3 の合成を試み,単離に成功した. ST-2 では,燃焼抑制効果に及ぼす錯イオンの影響を調べるために,dppfSnCl2 の合成を行った.その結果,昨年度に合成した dppfZnCl2 よりは性能は低かったが,既存の粉末消火剤の有効成分である ADP よりも 30 倍高い燃焼抑制効果を発現することを見いだした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2 年目である 2023 年度において,実績の概要欄で述べた通りの基礎的知見を得ることができた.ST-1 に関しては,国内外の学会で研究成果を発表したとともに,学術誌に論文を投稿することができた.ST-2 に関しても,国内外の学会で研究成果を発表しただけでなく,学術誌に論文を投稿することができた.従って,当初の計画通りに研究を進捗できたと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度 (2024 年度) においては,これまでに合成してきた新規化合物の燃焼抑制効果の評価およびその発現機序を明らかにする予定である.また,学術的,社会的貢献を志向し,引き続き学会発表や論文投稿を行っていく予定である.
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