Project/Area Number |
22K04619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
中村 雅夫 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60373445)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 衛星帯電 / 衛星帯電環境データベース / 衛星帯電環境モデル / 宇宙天気 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、静止・中高度軌道衛星に搭載されたプラズマ粒子観測機器等のデータから衛星電位とプラズマ環境のデータベースを作成し、衛星の不具合や故障を引き起こす帯電・放電リスク評価のためのプラズマ環境モデルと評価方法を開発し、国際標準規格として提案する。そして、衛星帯電を引き起こす宇宙環境を定量的に明らかにし宇宙天気の衛星帯電警報に応用し、安全な宇宙利用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、衛星観測データから衛星表面帯電を引き起こす宇宙プラズマ環境をデータベース化して、静止・中高度軌道の衛星帯電位評価用のプラズマ環境モデルの作成を目的としている。これまで、中高度軌道を2機編隊飛行するVan Allen Probe衛星の観測データを用いて解析を行なった。この衛星の大きさ・形状・素材のパラメータを用いて作成した衛星帯電解析モデルを利用して周辺宇宙プラズマ環境と衛星帯電電位との解析・評価を行った。前年度の成果から、プラズマ圏外の地球半径の約4倍以遠では、衛星が日陰領域にある時、衛星周辺の高温電子の流入フラックスが大きくなると深い負帯電が引き起こされ、マイナス1kV以下に達する帯電も起きた。日照領域では、マイナス数十V程度の負帯電が発生する。深い負帯電が起きないのは、太陽光照射面から光電子が放出されることが原因である。これら日照時の負帯電は、磁気圏サブストームに伴い夜側から朝側にかけて静止軌道を超えて内部磁気圏まで高エネルギー電子が侵入し電子流入フラックが増えたため考えられる。 2023年度は、日照領域の負帯電を引き起こすプラズマ環境を、エネルギースペクトルを用いて詳しく調べた。その結果、サブストームによるものと考えられる高温電子成分のフラックス積算値が閾値を超えた場合に、衛星の負帯電が起きていた。しかし、閾値を超えた場合でも負帯電が起きないことが多いこともわかった。これら閾値を超えても負帯電していない場合は、負帯電する場合に比べて2次電子放出を起こす低エネルギー帯の電子フラックスが多かった。この結果は、2次電子放出が負帯電を妨げていることを示している。従って、衛星帯電位評価用のプラズマ環境モデルでは、高温プラズマと2次電子放出を起こすエネルギー帯のフラックスの両方を評価できるモデル化手法の開発が必要であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Van Allen Probe衛星の観測を用いて衛星帯電時のプラズマ環境を調べた結果、高温電子フラックが閾値を超えると負帯電が引き起こされるという必要条件が明らかになった。しかし、閾値をこえても負帯電が起きないことも多く、十分条件を明らかにすることが重要となった。Van Allen Probe衛星の帯電解析モデルを利用して、光電子と2次電子放出量を計算した結果から、これらが負帯電を妨げていることがわかった。この結果から、衛星帯電評価用プラズマ環境モデルでは、高温プラズマ成分と2次電子放出を引き起こすエネルギー帯成分とを統計的に評価できることが必要であり、そのモデル化手法の研究開発をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
衛星帯電解析モデルがあるVan Allen Probe衛星の詳しく解析をおこなうことにより、同衛星表面帯電を引き起こすプラズマ環境の特徴を調べ、帯電・放電のリスク評価用のプラズマ環境モデルに必要な条件を明らかにしモデル化手法の開発をおこなっている。次年度以降はそれと平行して、あらせ衛星など他の衛星の観測データを取り込んだ大規模なプラズマ環境データベースを作成し解析することで、統計精度を高めるとともに衛星の違いによる特徴も明らかにして環境モデル化と評価手法の改善をおこなう。
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