雪氷災害把握・予測のための気象レーダーと3次元風速場を用いた水平高解像積雪深推定
Project/Area Number |
22K04633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
熊倉 俊郎 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (00272865)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 雪氷災害防除 / 固体降水量 / 後方流跡線解析 / 気象レーダー / 局地数値予報 / 積雪深 / 降雪分布 / 積雪分布 / 雪氷防災 |
Outline of Research at the Start |
気象数値シミュレーションモデルを用いた冬季の3次元風速場と気温場を用い、気象マルチパラメータレーダーの観測面への後方流跡線解析を行い、降水種別と降水の地上到達量の水平分布を推定する。また、その降雪データを用いて数値積雪圧密モデルを駆動し、豪雪時の積雪分布を推定する。加えて、短時間間隔で降雪が測定可能な装置の開発も行う。これらの結果を道路防災に役立てられるかどうかを検証することが本研究の課題である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、既に観測された冬季降水量観測を用いて、広域地上固体降水量を推定し、その妥当性について評価することである。今年度はその中で、レーダー降水量と局地気象モデルの3次元予報データを組み合わせて、後方流跡線解析による地上降水量の推定(解析降水量)の妥当性と、後方流跡線の経過時間を利用した短時間(数十分程度)の地上降水量推定が可能かどうかについて検討した。以前の基盤研究では、1時間程度の降水量積算値に対しては流跡線解析の利点か大きく現れることがないが、やらないよりは良く、短時間間隔の観測値に対しては観測地点直上のレーダー降水量(直上降水量)と解析降水量とは場合により大きく差が出る結果となっていた。 今回は短時間間隔の観測でどの程度の違いが現れるかを解析した。地上観測降水量と直上降水量との時間的増減が一致しない点は、後方流跡線解析を採用することで、積雪深が大きく増えた期間に関して一致度が51%程度だったのが、60%まで上昇し、特に一致度が高い期間が多く推定された。また、降水量の比較では、解析降水量で一致度90%、直上降水量で67%であった1時間で見たところ、RMSEが0.68mm/hから0.52mm/hに改善された。後方流跡線解析はごく平均的な流れを仮定し、かつ乱流などの影響を無視していることから、地上降水量が常に正しく推定されるものではないが、短期間間隔での観測値に対する応答として、直上のレーダーを参照するより有利であることが示された。また、今回は後方流跡線のレーダー観測面からの経過時間は長くて10分程度であったが、少なくともその時間だけ先の降水量がほぼ正しく推定されることを意味する。本研究で用いているレーダー装置では災害の多い魚沼市や南魚沼市方面が観測範囲内に入っており、そこでは経過時間が数倍になるため、その場合の降水量の推定精度についても調べる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、前回の基盤研究でやり残した部分から着手している。これに加えて固体降水粒子種別の違いによる後方流跡線解析への寄与についても開始しているが、地上観測を基にしたものであり、まだ発展途上と考える。また、地上降水量観測については、数分・数十分ごとの短時間間隔での計測が検証には必須であるが、これをクリアする測器はごく限られた箇所にしかなく、今後の検証作業の壁になる可能性があるため、前回の基盤研究で開発していた簡易型測器の実用化についても力を入れることにした。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね、計画書通りに進んでいくことができる。しかし、現在の進捗状況で述べたように、短時間間隔での降水量計測について、本研究内で独自に観測しなければならないかもしれない。そのため、以前から着手している光学式反射型降水量・降水種別測定器について、実用度を深める必要性が出てきた。よって、この課題について、防災科学技術研究所での実験を行うため、共同研究を新たに組んだ。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)