Project/Area Number |
22K04656
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
高田 洋吾 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (70295682)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 射出装置 / ワイヤー設置 / 飛翔物体 / 橋梁点検 / 防災 / ロボット / 軌道解析 / 制御 / 矢 |
Outline of Research at the Start |
橋梁は5年に1回以上点検を行う必要があるが、点検員による方法では、点検の負担が大きいため、ロボットを用いて自律点検させることが望ましい。ドローンのよる方法、磁式走行ロボットによる方法など様々な手段がある中。ワイヤー式は、ロボットの落下の心配がなく橋梁の種別によらず、また、近接や接触点検も可能である。しかし、ワイヤー式は、ワイヤーの設置そのものが問題となる。そこで本研究では、糸を取り付けた矢を射出する装置を考案し、橋の下部においてワイヤーを張る。特に、矢の軌道解析、装置そのもののモデル化、そのモデルを利用した照準運動制御、実地実験を行い、実際に提案するワイヤー設置用射出装置の有効性を確かめる。
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Outline of Annual Research Achievements |
高度経済成長時に建造された橋梁の多くは建造後50年以上経過している。それらの老朽橋に関し、点検頻度を高め、小規模補修のみを行うことで、長寿命化することが重要視されている。点検頻度を高めることは、点検員の数と業務時間の増大化に繋がるため、ロボット化が急務となっている。ここで橋梁点検用として、鋼橋に張り付く車両型または歩行型ロボット、橋梁の傍を飛行するドローン、橋梁下部に設置したワイヤー上を移動するロボットが存在する。 ワイヤー移動ロボットは、橋梁から落下する恐れが少なく、ドローンでは不可能な近接点検が容易に可能、重い検査装置も搭載可能などの利点がある。しかし、橋梁下部にワイヤーを設置すること自体が難しい。 そこで、本研究では、橋の片側から飛翔物体を放ち、もう片側に設置されたリングにそれを通すことでワイヤーを張る研究を行っている。本科研費で購入した高速度カメラを用い、飛行物体の軌道解析が可能になった。また、軌道予測を可能にする3次元シミュレーションモデルを構築した。具体的には、高階非線形常微分方程式として構築し、その数値計算を行った。また、放たれた矢の軌道を座標として捉え、上記のシミュレーション結果と比較検討した。 ただし、残念なことに、射出装置の開発に関しては一旦振り出しに戻ることになった。元々は射出装置として、弓矢に準じた機構を考えていた。しかし、クロスボウを使用した凶悪事件が相次いだことを受け、銃砲刀剣類所持等取締法が改正され、警察署に許可を頂くべく折衝したところ、初めてのケースとのことで、慎重な扱いがなされ申請許可が得られるまで多大な時間を要した。申請中は、弓矢とは違うピッチングマシン方式(法律に抵触しない)により、飛翔物体を投げる方法に切り替え研究を進めた。この研究成果は平成6年5月に開催されるロボティクス・メカトロニクス講演会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この研究では、橋梁下部にワイヤーを設置することができる橋梁点検用射出式ワイヤー設置装置の開発を行っている。しかし、残念なことにクロスボウを使用した凶悪事件が相次いだことを受け、銃砲刀剣類所持等取締法が改正された。この研究は、研究代表者が学生時代、アーチェリー部に属し弓矢の構造に精通していることから、弓矢に準じた機構で装置開発を進める予定であったが、そこに大きくブレーキが掛かったため、別の射出方式を思案する必要が生じた。 クロスボウの製造と所持が認められなくなった都合、急ぎ、ピッチングマシン、ガウス加速器(磁石の加速球を飛翔物体に当てて射出)など、弓矢以外で考えられる様々な方式を検討のうえ、試作してみて、ピッチングマシンに新たな可能性を見出して、ロボットアームにより飛翔物体を投げる装置を採用することにした。この試作したロボットアーム式射出装置に関しては、実際に飛翔物体を投げることができるところまで至ったが、投げた瞬間、飛翔物体に十分な初速が得られず、飛行距離が短いため、今後もさらなる改善が求められる。なお、実機製造とともに、常微分方程式の立式とその数値解析は出来ているため、飛翔物体の初速を高めて、より飛距離を伸ばす方法に関して検討できる状態にある。 高速度カメラを用いた飛翔物体の軌道解析も順調であるため、残された期間において、ピッチングマシンの高性能化を図る。また、今更ではあるが、令和6年に入って、ようやく当該研究室内において、産業目的として弓矢を製造・所持しても良い流れになってきた。そのため、最終的にどのような手段で研究を進めるのかも検討していく予定である。 以上の経緯により、本来は照準操作制御法の確立が2年目の主な研究内容であったが、それを後回しにするしかなくなったため進捗はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
弓矢の使用が望ましくない選択となったことを受けて、ロボットアーム式ピッチングマシンを製造した。しかし、この一号機のピッチングマシンは飛翔物体の初速が十分でないため、コンピュータシミュレーションの結果に基づきながら、初速度をアップさせていく。 その後、本来は2年目に確立する予定であった照準操作制御法に関する研究を行う。橋梁は、風に晒されていることと、自動車が走行していることが理由で、揺らぎがある。その揺らぎの特徴を掴んで、照準操作を制御する必要がある。また、理想的なリングの大きさも明確化できるのではないかと考えている。また、風の影響を極力受けず、安定して飛翔物体が飛行できるようにするため飛翔物体を重くすることも検討していく。ただし、重くすると、当然ながら、ロボットアームの各モータにとって負担になるため、そのモータへの負担と、飛翔物体の質量の関係、射出精度について、まとめていきたいと考えている。 照準操作制御法に関しては、リングをカメラで捉え、そこに向けて自動的に矢を放つシステムを構築する予定である。その構築した制御系が実験でも問題無くリングに矢を通すことを確認する。 以上の結果を踏まえて適宜、学会発表や論文投稿を進めていく。
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