Project/Area Number |
22K04675
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26010:Metallic material properties-related
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
弓野 健太郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40251467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 半導体 / 薄膜 / 結晶成長 |
Outline of Research at the Start |
フレキシブル基板上に高性能な半導体回路を形成することを目的として、これまでAu等の金属元素を触媒としたSi、Ge等の半導体薄膜の低温結晶化(金属誘起結晶化法)に関する研究が盛んに行われてきた。本研究では、金属誘起結晶化において、低温での結晶化が効率的に進む機構を解明し、プロセスを最適化することで、低温結晶化薄膜の結晶性と半導体特性の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
フレキシブル基板上に高性能な半導体回路を形成することを目的として、これまでAu等の金属元素を触媒としたSi、Ge等の半導体薄膜の低温結晶化(金属誘起結晶化法)に関する研究が盛んに行われてきた。Geはキャリア移動度が大きく、結晶化温度も低いことから様々なデバイスへの応用が期待されているが、資源量が少ないため、薄膜としての利用が望ましい。層交換型の結晶化においては、Au層、非晶質Ge層の順に積層した二層膜を熱処理すると、二層の位置が入れ替わり、結果としてGe薄膜を低温で結晶化させることができる。最近、申請者らは、STM観察、in-situのX線回折を行うことにり、AuGe系の共晶温度(361℃)を大幅に下回る低温(~170℃)において、液相のような流動性を有する準安定合金相が形成され、この相を介して低温結晶化が効率的に起きている可能性を指摘した。つまり、共晶温度を大幅に下回る温度において、質の高い結晶の作製に向いている溶液成長のような結晶成長が実現していることが示唆される。本研究では、低温結晶化の起源を解明し、プロセスを最適化することで、低温結晶化薄膜の結晶性と半導体特性の向上を目指す。2022年度は、アニール時の昇温速度が結晶成長に与える影響について詳細に調べ、昇温速度を小さくすることで結晶薄膜の表面が平坦化されることを見出した。2023年度は、触媒となる金属層の構造がGeの結晶化に与える影響について調べた。その結果、結晶化のための熱処理の前に金属層のみをアニールすることで、Ge結晶膜の結晶粒サイズが増大し、 配向性が向上することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、金属触媒層の熱処理により結晶性を改善させてから結晶化のアニールをすることで、Ge薄膜の結晶粒のサイズを増大させ、配向性を高めることできることを見出しており、研究はおおむね順当に進展していると考えている。今後さらに、実験に加えてシミュレーションも併用することで、結晶化機構を明らかにしていくことができればと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶化アニールの昇温速度を小さくすることで、薄膜の表面粗さを小さくすることに成功し、これまで100cm2/Vsを超えるホール移動度が得られているが、結晶粒のサイズを大きくすることができれば結晶粒界におけるキャリアの散乱を減らし、さらに移動度を向上させることができると考えている。結晶Geは金属層内で核生成し成長するため、金属層の結晶組織がその成長に大きく影響すると考えられるが、すでに金属層の熱処理によるGeの結晶性の向上を確認している。今後は、結晶成長のシミュレーション等を試み、金属触媒による結晶化機構の解明を試みる。
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