Project/Area Number |
22K04712
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26030:Composite materials and interfaces-related
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
大谷 章夫 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 准教授 (80569533)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ニードルパンチ加工 / コンポジットピラー / ニードルパンチ密度 / 曲げ強度 / せん断強度 / 圧縮強度 / 繊維体積含有率 / 発泡コアサンドイッチ複合材料 / 力学的特性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,NP加工の密度や用いるニードルの種類の違いが発泡コアサンドイッチパネルの力学的特性に及ぼす影響を明らかとする.その際,コア材内部に強化繊維が配向されるメカニズムを明らかとし,繊維の配向量の制御や,強化形態を変更した場合の影響について検討を行う.また,コア材内部におけるCPの形成がコア材の圧縮特性やせん断特性および,サンドイッチパネルの曲げ特性に及ぼす影響について検討を行い,これらの知見よりNP加工を適用した発泡コアサンドイッチパネルの設計手法を確立する.
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はスキン材料にガラス繊維のチョップドストランドマットを使用したFRPを適用し,コア材料に発泡樹脂を使用したサンドイッチ材料に対して,成形前にニードルパンチ検討を行って,サンドイッチ材料の高強度化を目指した.その結果,ニードルパンチ加工によりコア材内部にコンポジットピラー(CP)が形成されることによりコア材の圧縮強度が向上し,サンドイッチ材の曲げ強度が大幅に向上することが明らかとなった.さらにサンドイッチ材の一般的な破壊の支配要因がコア材の圧縮破壊およびせん断破壊であるのに対し,ニードルパンチ加工密度(NP密度)を増加させることによりスキン材料の引張破壊に移行しうる事が明らかとなった.この結果より,スキン材料の高強度化によってサンドイッチ材の曲げ強度の更なる高強度化が可能であることが示された.そこでスキン材料にガラス繊維の連続繊維で作製されたNCFや炭素繊維の織物を適用し,そのサンドイッチ材の曲げ強度に及ぼす影響について検討を行った.その結果,サンドイッチ材の曲げ強度はスキン材の強度が高い方がより高くなることが明らかとなったが,サンドイッチ材の曲げ強度はスキン材の強度の向上率に比例せず,その原因がコア材の低いせん断強度にあることが明らかとなった.そこで,コア材の強度を向上させるため,NP密度の増加および発泡材の密度を増加させたところ,スキン材の強度を発現させることができ,サンドイッチ材の曲げ強度が向上した. また,外力に対して最適なCPを形成するために,NP加工の角度を変更するための装置を作製し,実際に斜めにNP加工が可能かどうか検討を行った.初期に試作した装置での検討では,斜めにNP加工できることは確認できたが,等間隔に送ったり幅方向にシフトしてNP加工のレイアウトを変えることができなかったため,その機構を追加して装置を完成させた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は①異なる強化基材をスキン材として用いた場合の検討および②斜めにNP加工が可能かどうかの検討を実施した.①においてはスキン材に使用する強化基材を高強度なものに変更し,高強度なサンドイッチ材が得られるかについて検討を行ったが,上述の様に向上率が理論値よりも大幅に低くなってしまった.これは結果としてNP密度が低すぎてコアの強度が不十分なことが原因であった.そこでNP密度の最適化の手法を考案し,スキン材の強度に対応したNP密度を設定することが可能となり,想定通りのサンドイッチ材の曲げ強度が得られるようになった.また,次年度に「CPの配向角度がサンドイッチ材の曲げ強度におよぼす影響」に関する検討を実施するために②の検討を行い,問題点を改良することにより検討項目を満たすための機構を付与することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
斜めにNP加工するための装置の開発がうまく進んだため,次年度は予定通り「CPの配向角度がサンドイッチ材の曲げ強度におよぼす影響」に関する検討を実施する.通常NP加工は基材に対して垂直にフェルト針を刺すため,CPはコア材の厚さ方向に形成される.しかしながら,曲げモーメントが負荷された場合,圧子点の周辺においてはせん断力が加わって破壊すると考えられる.すなわち外力の方向に対して最適なCPの配向角度が異なるはずである.そこでNP加工時に任意の角度に変更して試験片を作製し,CPの配向角度の曲げ特性に及ぼす影響について検討を行う.また,この加工は試験片の場所に応じて変更することが可能なため,荷重点を中心として対称に角度をつけて中央部に関しては厚さ方向にCPを配向させた試験片も作製し,比較検討を行う. さらに,NP密度の最適化手法の確立を行う.今年度行ったようにコア材の強度を向上させることによりスキン材の強度が発現し,サンドイッチ材の曲げ強度が向上することが明らかとなったが,最適なNP密度,すなわち最低限のNP密度を設定することは難しい.そこで,最適なNP密度を設定し,サンドイッチ材の重量増加を最低限としてスキン材の力学的特性を最大限に発揮させるために,最適なNP密度を決定する手法の提案を行う.サンドイッチ材に最大荷重を負荷した際に,スキン材とコア材の双方が同時に破壊する様なNP密度が最適なNP密度であると考え,スキン材の引張強度に達した際にコア材に発生する応力を算出し,実験で得られたコアのせん断強度とNP密度との関係を用いて,必要となる最小のNP密度を算出する.この値を反映した試験片を作製し,曲げ試験を行い,妥当性を確認する.
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