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Development of Environmentally Friendly Coatings Using Cellulose Nanofiber and Biodegradable Resin

Research Project

Project/Area Number 22K04738
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

花木 宏修  大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい准教授 (20336829)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 倉敷 哲生  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30294028)
山下 正人  大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい教授 (60291960)
藤本 愼司  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70199371)
向山 和孝  大阪大学, 大学院工学研究科, 特任研究員 (80743400)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Keywords鉄鋼インフラ / 寿命延伸 / セルロースナノファイバー / 錆の構造制御 / 生分解性樹脂 / 環境調和型塗料 / さびの構造制御 / 機能性塗料
Outline of Research at the Start

近年、自然環境で分解されず水や紫外線により微細化だけが進行したマイクロプラスチックの海洋流出が多く報道されている。これに対し、微生物の働きにより分子レベルまで分解し自然界へ循環していく生分解性樹脂の活用が期待されている。
本研究では、生分解性樹脂を塗料分野へ展開する。具体的には、生分解性樹脂を母材とし、そこへセルロースナノファイバー(CNF)を分散させる。さらに、錆の構造を制御するための金属イオンを添加した機能性塗料を開発する。CNFを通じて供給される酸素、水と有効イオン種が反応し、鋼材表面に安定かつ防食性を示す錆を形成させる。一方、塗膜自体は保護層の形成後に自然環境中で分解・消失する。

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、鋼構造物の表面に防食性を有する安定な錆層を形成させ、自身はその目的達成後に自然環境中で分解・消失する環境調和型塗料を開発している。具体的には、生分解性樹脂を母材とし、そこへセルロースナノファイバー(以下、CNFと記述)を分散させる。さらに、錆の構造を制御するための金属イオンを添加する。
本年度は前年度に引き続き、母材となる生分解性樹脂に対しCNFの添加量および分散方法の検討を実施した。また、SAEJ2334に準拠した乾湿繰り返しサイクル試験中における外観観察から環境負荷に対する塗膜の強度を評価した。SAEJ2334試験はこれまでの知見から塩水噴霧試験(SST)やCCT(Cyclic Corrosion Test)試験よりも実環境に近いさびの生成を再現可能である。腐食試験後、走査型電子顕微鏡(SEM)観察やXRDによる構造解析を実施した結果、ゲ-サイトやマグネタイトの生成が確認できた。ゲーサイトはオキシ水酸化鉄の異性体のなかでも熱力学的に安定性で高い耐食性を示すことが知られている。また、マグネタイトにおいても構造中に特定のイオンを含むことにより安定化することが知られている。腐食電位測定および動電位分極測定結果から、金属塩として硫酸ニッケルを用いた本塗料適用鋼板の腐食電流密度が減少しており、耐食性の向上が示唆された。さらにバクテリア培養液への浸漬試験を実施した結果、生分解を目的として添加したバクテリアによる錆の還元効果が確認された。これにより本塗料による錆の構造制御効果を著しく促進できる可能性があることから、バクテリアによる錆の還元について追試験を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

試験片として「みがき鋼板」および既にさびが発生している「発錆鋼板」を用いた。作成した塗料を塗布し、乾湿繰り返し試験によりCNFおよび金属塩が炭素鋼の腐食挙動に及ぼす影響を調査した。生分解性樹脂にはGSアライアンス社の水系100%天然バイオマスコーティング材料を用いた。添加する有効イオン種に関しては、陽イオンとしてさびの構造を制御するニッケル、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛を候補とした。発錆鋼板にCNF分散生分解性塗料を適用しSAEJ2334に準拠した乾湿繰り返し試験に供した結果から新たに以下の知見を得た。
みがき鋼板では乾湿繰り返し試験30サイクル後にはCNF分散生分解性塗料を塗布したいずれの試験片についても塗膜にひび割れが確認された。一方,母材が発錆鋼板の試験片では40サイクル後まで塗膜は維持されたため、本塗料は錆びた鋼板を有する構造物で接着性が良く、長期間残存することが示された。
腐食試験後の錆層のXRD解析では、硫酸ニッケルを金属塩とした本塗料を適用した試験片では保護性さびであるゲーサイトとマグネタイトが主体の構造に変化していた.また、腐食電位測定および動電位分極測定を実施したところ、発錆鋼板の腐食電流密度と比較して本塗料適用鋼板の腐食電流密度が減少しており、耐食性の向上が示唆された。
バクテリア培養液への浸漬試験において、生分解を目的として添加したバクテリアによる錆の還元効果が確認された。シュワネラ菌を含む液体に発錆鋼板を浸漬させ、浸漬後にXRD測定や分極試験を実施し、さびの構造変化および耐食性を評価した.ここで、バクテリアを含む液体には金属塩として硫酸ニッケルおよび硫酸亜鉛を添加した.培養液への浸漬によりゲーサイトおよびレピドクロサイトの比率が低下し、マグネタイトの比率が増加したことから、バクテリアによるさび還元がが示唆された。

Strategy for Future Research Activity

2024年度は、前年度に実施できなかった生分解性試験の実施に加え、バクテリアによる還元プロセスが錆の構造変化におよぼす影響について引き続き調査を実施する。
生分解性試験は海洋中での分解能を評価することが好ましいが、第一段階として広く用いられている水系での好気的生分解性試験(JIS K 6950、 ISO14851)に基づいたスクリーニングを実施する。また、第二段階においては海洋環境を模擬した試験を実施する。本研究で開発する塗料は使用環境において適度な速度で分解することが望ましく、樹脂成分とCNF添加量による分解速度の制御を試みる。
本年度は最終年度であることから、前年度までおよび上記の結果をもとに、本研究で目指す環境調和型塗料を実現するための指針を明らかにする。
これら一連の実験に関して、研究代表者および分担者に加え、分担者の所属する大阪大学大学院ビジネスエンジニアリング専攻の大学院生が引き続き研究協力者として参画する予定である。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2023 2022

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 金属塩含有CNF分散塗料を塗布した炭素鋼の腐食挙動2023

    • Author(s)
      野原多朗,向山和孝,倉敷哲生,花木宏修,土谷博昭,山下正人,藤本慎司
    • Organizer
      腐食防食学会 第70回材料と環境討論会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 発生炭素鋼におけるカソード反応に及ぼす金属塩の影響2022

    • Author(s)
      山下正人,焦京鈺,阿賀一朗 他4名
    • Organizer
      第69回材料と環境討論会
    • Related Report
      2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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