Project/Area Number |
22K04746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
澤田 浩太 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究センター, グループリーダー (00354225)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | オーステナイト系耐熱鋼 / クリープ強度 / 合金元素 / 偏析 / オーステナイト耐熱鋼 / ばらつき |
Outline of Research at the Start |
本研究では、これまでほとんど検討されてこなかった実用オーステナイト耐熱鋼に残存する偏析帯(合金元素の組成むら)の存在に注目し、偏析帯の存在やそれによる局所的な合金元素の濃度勾配などがクリープ試験(高温・応力下での耐久性試験)中の析出挙動・転位組織や局所力学特性に及ぼす影響を検討することで、同一材料規格内(若干の化学成分の違いがある)であっても生じるクリープ寿命差の原因を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
高Crフェライト系耐熱鋼(ASME Gr.91鋼やGr.92鋼)では、Crなどの合金元素の濃度むら(偏析)が残存し、偏析が強いものはクリープ強度が低くなることが報告されている。一方、オーステナイト系耐熱鋼においても偏析が残存している可能性がある。そこで、偏析の存在が同鋼のクリープ強度特性に及ぼす影響を検討するために、オーステナイト系耐熱鋼のボイラチューブ材について、調査を実施した。 SUS304鋼について、合金元素の偏析が残存している受入まま材に対して、偏析を低減することを目的として、1150℃と1200℃にて熱処理を実施した結果、CrやNiの偏析がある程度低減できることが分かった。600℃・140MPaにて受入まま材および偏析低減熱処理材のクリープ試験を実施した。偏析低減熱処理材のクリープ寿命は、受入まま材に比べて短寿命となった。偏析を低減したにも関わらず、クリープ寿命が低下した原因は分かっていないが、偏析低減熱処理を行ったことで、一部、異常粒成長が生じ、混粒組織となったことが影響している可能性がある。また、受入まま材では、クリープ速度-時間曲線において、2つの最小クリープ速度を示していたが、偏析低減熱処理材も同様であった。クリープ変形中に生じる炭化物の析出が2つの最小クリープ速度の出現に関係していると思われるが、偏析の低減はこのことに影響を及ぼしていない。また、試験片長手方向に沿った合金元素の偏析が残存している受入まま材のクリープ破断試験片を観察したところ、明瞭な粒界破壊が確認されたが、破壊が生じる粒界と偏析位置との関連性は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存のクリープ試験結果と受入まま材の合金元素分布の相関に関する検討に加え、新たに偏析の程度を変化させてクリープ試験を行い、破断時間とクリープ速度-時間曲線に及ぼす偏析の影響を実験的に確認しており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は偏析の程度を変化させたサンプルにてクリープ試験を行い、クリープ強度への影響を検討したが、偏析の大きな影響は確認されなかった。そこで、今後は、偏析領域とそれ以外の領域で硬さ分布測定などを行い、クリープ変形中の組織変化の違いが局所的な機械的特性に及ぼす影響がないか確認する。
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