多種の量子ビーム実験と第一原理計算を活用したアルミ合金の水素脆性抑制機構の解明
Project/Area Number |
22K04758
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西村 克彦 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 名誉教授 (70218189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 健二 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (00209553)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | アルミニウム合金 / 水素脆性 / ミュオンスピン緩和法 / 中性子回折 / 第一原理計算 / 組織観察 / 原子空孔 / ナノクラスタ / 水素原子拡散 / 中性子小角度散乱法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、近年実験精度が飛躍的に向上したミュオンスピン緩和法を応用し、6000系アルミ合金中の水素原子の捕獲位置と拡散挙動を解明する。更に、X線吸収微細構造法および中性子小角散乱法を組み合わせて水素原子拡散を抑制する原子クラスタ構造を解明し、水素脆性を抑制する工業的手法を得て、水素エネルギー社会の安全基盤を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
アルミニウム合金の強度は、アルミニウム中の過飽和固溶体から核生成する微細な析出物の分布に依存する。したがって、析出硬化に寄与する合金元素とその組成は、機械的特性を決定する上で重要な役割を果たす。同時に、強度と水素脆化感受性とのトレードオフの関係は、高強度アルミニウム合金における共通の問題として認識されてきた。しかし、アルミニウム合金のマトリックス中で水素がどのように挙動し、巨視的特性にどのような影響を及ぼすかは未解明のままである。最近の電子密度計算結果は、1個の原子空孔がその周りの8個の四面体位置に水素原子を捕獲することを示唆しているが、実験データの裏付けがない。 一方、正ミュオンは金属中で、軽い水素原子(質量が約10分の1)のように振る舞う。 この特性を活用し、これまでAl-Mg、Al-Ti、Al-V、Al-Cuなどの合金について精密なミュオンスピン緩和実験を行い、双極子幅とトラップ率の詳細な温度変化を調べた。同時に第一原理計算により、これらの合金中における溶質元素-水素原子および溶質元素-原子空孔-水素原子の結合エネルギーを評価した。その結果、双極子幅(およびトラップ率)のピーク温度と水素結合エネルギーの間に明確な直線相関を発見した。この研究成果は、アルミニウム合金のミュオンスピン緩和実験から水素原子の結合エネルギーを推測する新規の手段をもたらした。これらの研究成果に基づき、令和5年度はAl-Mn合金の析出相であるAl6Mn化合物中の水素結合エネルギーをミュオンスピン緩和測定と第一原理計算で調査した。双極子幅の温度変化には、明確な変化が観測され、第一原理計算による水素結合エネルギーと対比されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミュオンビーム利用の研究は、計画以上に進行している。中性子回折実験は、計画の実験測定を行い、解析を行っている。放射光の実験は、新たに共同研究者を得て、実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
アルミニウム合金のミュオンスピン緩和実験と第一計算から、合金中の水素結合エネルギーを定量的に評価する手段を得た。その結果を利用し、Al6Mnが水素を結晶粒内部に強く捕獲することを示した。今後は、Al-Zn-Mg合金で水素脆性を抑制する結晶粒と報告されているT相Mg32(Al,Zn)49について、ミュオンスピン緩和実験を行い、水素結合エネルギーを定量的に評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Presentation] HYDROGEN TRAPPING SITES OF AL6MN VIA MUON SPIN RELAXATION METHOD2023
Author(s)
Katsuhiko Nishimura, Kenji Matsuda, Norio Nunomura, Takahiro Namiki, Taiki, Tsuchiyai, Satoshi Akamaru, Wataru Higemoto, Tomohito Tsuru, Kazuyuki Shimizu, Hiroyuki Toda
Organizer
International Conference on Hyperfine Interactions and their Applications
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[Presentation] SOLUTE-HYDROGEN BINDING ENERGIES IN ALUMINUM STUDIED BY MUON SPIN RELAXATION METHOD2023
Author(s)
Katsuhiko Nishimura, Kenji Matsuda, Norio Nunomura, Takahiro Namiki, Seungwon Lee, Wataru Higemoto, Tomohito Tsuru, Teiichiro Matsuzaki, Isao Watanabe, Kazuyuki Shimizu, and Hiroyuki Toda
Organizer
The 18th International Conference on Aluminium Alloys
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