Project/Area Number |
22K04760
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
日野 隆太郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (10283160)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 超高張力鋼板 / アルミニウム板 / 応力緩和 / 曲げ試験 / スプリングバック / 時間依存スプリングバック / 曲げ保持 / 正の応力緩和 / 負の応力緩和 / バウシンガー効果 / 見かけのヤング率の塑性ひずみ依存性 / 時間非依存・時間依存成分 / 高張力鋼板 / アルミニウム合金板 |
Outline of Research at the Start |
高強度あるいは高比強度板材として輸送機械分野での利用が増大している高張力鋼板や軽量合金板は,プレス成形直後に大きなスプリングバック(弾性回復による形状変化)を生じるだけでなく,その後も長時間にわたってわずかながら形状変化が進行する時間依存スプリングバックと称する問題も有している.本研究では曲げ試験や応力緩和試験などの基礎的材料試験を通じて時間依存スプリングバック現象を詳細に観察し,本現象と材料特性,曲げ加工条件などとの関係を明らかにする.また時間依存スプリングバックを含めたスプリングバック予測を可能とする材料モデルや数値解析法を構築し,プレス成形品の形状精度をより高める手法の提案を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に記載された4つの実施内容(①曲げ試験におけるスプリングバックの時間非依存成分・時間依存成分の観察,②基本的材料特性の取得,③材料モデルの検討と時間依存スプリングバック解析,④時間依存スプリングバック抑制法の検討)のうち,2022年度に実験準備を進めていた①の曲げ試験を実施するとともに,②についても引き続き材料試験を実施した.供試材としては2022年度と同様に1180MPa級の超高張力鋼板118Y(二相鋼,板厚1.2mm)およびアルミニウム板A1050-O(板厚2.0mm)を使用した. ①の曲げ試験については折り曲げ試験(L曲げ試験)を曲げ半径2条件において曲げ保持(下死点保持)あり・なしの場合について実施し,スプリングバック角度の時間非依存成分θ(除荷時の角度変化)・時間依存成分Δθ(除荷後の角度変化)・総スプリングバック量θ+Δθを詳細に観察した.その結果,(1)曲げ保持によりθ+Δθは減少すること,(2)θ+Δθの減少の大部分はθの減少に起因すること,(3)曲げ保持によるθおよびθ+Δθの減少率は118Y材よりもA1050-O材の方が大きく,曲げ半径が大きいほど大きいこと,(4)曲げ保持によりΔθも減少する傾向にあるがその変化量は非常に小さいこと,(5)除荷後の時間経過に伴うΔθの増加について,118Y材のΔθの増加は除荷後2日で収束する傾向にあるがA1050-O材のそれは増加傾向が続くこと,(6)θ+Δθに対するΔθの割合をr=Δθ/(θ+Δθ)とすると,rは基本的に材料によって決まり曲げ半径にはほとんど依存しないこと,(7)118Y材のrは曲げ保持の影響をあまり受けないがA1050-O材のrは曲げ保持により増大することなどが明らかとなった.②の材料試験については,引き続き種々の負荷・除荷条件における応力緩和特性を調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種の供試材について折り曲げ試験(L曲げ試験)を実施し,スプリングバック角度の時間非依存成分θ(除荷時の角度変化)・時間依存成分Δθ(除荷後の角度変化)・総スプリングバック量θ+Δθに対する曲げ半径や曲げ保持の影響,除荷後の時間経過に伴うΔθの変化などについて多くの実験データを得ることができた.2023年度に得られたこれらの実験データは本研究の中核となる重要な知見であり,本研究における大きな進展であるといえる. また字数の制約から「研究実績の概要」では述べられなかったが,A1050-O材の応力緩和試験においては引張負荷後に中途除荷と緩和を繰り返す段階的除荷・緩和試験,引張負荷・完全除荷後に負荷と緩和を繰り返す段階的除荷・緩和試験などを実施し,負荷・除荷履歴が正の応力緩和(応力減少)や負の応力緩和(応力増加)といった緩和挙動に及ぼす影響を調査することができた.これらの知見は今後の材料モデル検討に向けての重要な進展である. 一方,曲げ試験に多くの時間を割いたことから,2023年度に着手予定であった材料モデルの検討とその材料パラメータ決定ならびに曲げ解析に関しては依然として準備段階にある.以上の状況から,おおむね順調な進展であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度・2023年度に得られた供試材の諸特性(応力-ひずみ関係,応力緩和特性,バウシンガー効果,見かけのヤング率の塑性ひずみ依存性)を記述できる材料モデルの検討とその材料パラメータ決定を行う.現時点では移動硬化を考慮した,過応力理論に基づく統一型構成式をベースとして検討を行うことを想定している.構成式検討において考慮すべき重要事項として,中途除荷などで応力が降伏曲面内にあるときの緩和挙動をどのように表現するかということが挙げられる.また構築した材料モデルによるスプリングバック解析を実施する.均等曲げを想定した簡易解析により解析の妥当性を確認する.この解析で重要なことは,スプリングバックの時間非依存成分・時間依存成分双方の表現性を確保することである. またスプリングバック・時間依存スプリングバックの抑制法についての検討を行う.2023年度の曲げ試験で確認された曲げ保持(下死点保持)によるスプリングバック・時間依存スプリングバックの低減効果について更なる検討を進めるとともに,曲げ部の加熱によるスプリングバック・時間依存スプリングバックの低減についても調査したい. 併せて応力緩和試験と曲げ試験も必要に応じて実施する.応力緩和試験としてはとくに引張り・除荷・反転圧縮後の緩和特性や,ひずみ速度や温度を変更した条件下での緩和特性について調査し,材料モデルの高精度化に資する実験データを得たい.曲げ試験については,2023年度に実施した折り曲げ試験(L曲げ試験)を継続実施しデータを蓄積するとともに,ドローベンド試験も実施したい.
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