Project/Area Number |
22K04788
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26060:Metals production and resources production-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原田 寛 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90373951)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 介在物 / 濡れ性 / 縮流 / 密度 / 注湯流 / 凝集力 |
Outline of Research at the Start |
鋼材中に含まれる介在物は鋼材の品質に大きく影響する。鋳型内に、今、まさに注湯している溶鋼中に含まれる介在物に関する情報(大きさ、個数、組成等)を知ることができれば、オンラインで品質の良否を判定できるシステム構築につながる。そこで、本研究においては、介在物は溶鋼に比べて軽く、かつ濡れ性が悪いこと、注湯量制御のために縮流が導入されることに着眼した。具体的には、注湯プロセス内に気液界面を形成し、その界面に介在物を露出・集積する条件をつくり出すことで、溶鋼中に含まれる介在物の直接評価を狙ったものである。本研究では、これらの具体的な条件について水モデル実験、数値解析を行い明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は注湯プロセスの縮流部近傍に気液界面を形成し、その界面に介在物を集積・露出させることで注入流の介在物品位を直接評価する方法の提供を目的としている。これは溶鋼と介在物の濡れ性が悪いことに着目したものであり、模擬介在物(以下、粒子)の物性を変化できる水モデル実験と数値解析を行い気液界面に粒子を集積・露出するための方法の検討を進めている。令和4年度において、注湯プロセスを模擬する水モデル実験装置を作製しストッパー(流量調整弁)の中心軸に内視鏡を設置し、ストッパーとノズル間の縮流下での粒子の挙動を観察できる実験装置を構築した。その際、粒子表面に親水剤や撥水剤を塗布し接触角を変化させた結果、粒子の挙動が接触角によって大きく変化することを知見した。さらに、ハイスピードマイクロスコープとレーザースリット光を導入し、ストッパー前面に気液界面を形成する方法について検討した。その結果、ストッパーからの空気吹込み方法の工夫により、ストッパー前面に気液界面を、かつその界面下に気泡群を生成できることがわかった。令和5年度においては、空気吹込み下で粒子をノズル内に注入する条件で実験を行い、ストッパー前面に形成された気泡群に粒子が付着する過程を観察することができた。加えて、数値解析を用いた粒子挙動解析に着手し、粒子の密度や粒径による粒子挙動の違いを解析で表現するとともに実験との比較検討を行った。その際、粒子表面やノズル表面に撥水剤を塗布し濡れ性を悪くした条件において、粒子間、粒子とノズル間で凝集力が作用し、粒子挙動に大きく影響を及ぼすことが明らかとなった。そこで、粒子間に作用する凝集力の測定装置を考案し、接触角による凝集力の変化を実測、さらに得た実験結果を記述するモデル式を考案した。現在、粒子解析モデルへ凝集力推定モデルを導入し、凝集力の影響を含めて粒子挙動を解析するモデル構築を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、介在物の物性(濡れ性と密度)と注湯流の特徴(縮流)に着目したもので、注湯流内に気液界面を形成し、その界面に介在物を集積・露出させるための具体的な方法について、水モデル実験と数値解析により検討を行っている。令和4年度において、ノズル内流動を模擬する水モデル実験装置を製作、その注入流量を制御するストッパーの中心軸に内視鏡を設置し、ストッパーとノズル間の縮流下での模擬介在物(以下、粒子)挙動を観察した。粒子にはスチレン―ジビニルベンゼン系合成吸着剤を用い、その粒子表面に親水剤や撥水剤を塗布し、水との接触角を変化させた。その結果、親水剤を塗布した条件では、粒子はノズル内面に沿って流入するのに対し、撥水剤を塗布した条件では、まるで空気中のノズル内に剛体球を投げ入れたようにノズル内壁と衝突し流動方向を変えながら流入することを知見した。令和5年度においては、気泡含め粒子の動的挙動を捉えるため、ハイスピードマイクロスコープとレーザースリット光を導入した。加えて、ストッパー先端部への空気吹込み方法の工夫により、ストッパー前面に気液界面とその界面下に気泡群を形成することができた。さらに、空気吹込み下で粒子をノズル内に注入する条件で実験を行い、ストッパー前面に形成された気泡群に粒子が付着する過程を観察することができた。並行して、混相流体解析を行い粒子の密度や粒径による粒子挙動の違いについて検討するとともに実験結果と比較した。その際、濡れ性の悪い粒子間、粒子とノズル間には凝集力が作用し、粒子挙動に大きく影響を及ぼすことが考察を通じて明確となった。そこで、新たに粒子間に作用する凝集力の測定装置を考案、接触角による凝集力の変化を実測するとともに、得た結果を記述するモデル式を考案した。現在、粒子解析モデルへ凝集力推定モデルを導入し、凝集力の影響を含めて粒子挙動を記述するモデル構築を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は最終年度となるため、モデル実験については、ストッパー前面に形成された気液界面と気泡群に模擬介在物(以下、粒子)が集積・露出する条件を(1)粒子密度<流体密度、(2)粒子密度>流体密度、それぞれの条件で明確化する。上記検討結果を踏まえ、溶鋼とアルミニウム溶湯の注湯プロセスへの適用可能性を明らかにする。数値解析については、(1)先ず、粒子解析モデルへ凝集力推定モデルを導入し、凝集力の影響を含めた粒子挙動を記述するモデルを構築する、(2)次に、ストッパー前面に界面を導入し、その界面にノズル内に導入された粒子が到達する否かを記述するモデル構築を目指す。構築した数値解析モデルを用いて、鋼とアルミニムの代表的な注湯プロセス条件で解析を行い、今回提案する注湯プロセスにおける介在物検出方法の実現可能性を総括する。さらに、本研究の次ステップへの具体的な展開について、分析分野の研究者、技術者と技術討議を行い、実際の注湯プロセスでの介在物検出方法についての検討に着手する。実際のプロセスへの適用にあたっては、段階的に進めることを計画しており、まず、低融点合金を用いた注湯プロセスでの技術評価、さらに実湯プロセス(アルミ溶湯、溶鋼)への展開を想定した研究計画を策定する。策定した研究計画については、大学および企業関係者との協議を計画する。
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