Project/Area Number |
22K04789
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26060:Metals production and resources production-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐々木 秀顕 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (10581746)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 貴金属精錬 / 紫外可視分光法 / 光化学反応 |
Outline of Research at the Start |
貴金属をはじめとする有価金属の精製工程においては,金属を濃縮して得られた固体を水溶液に溶かしたのち,溶媒抽出や晶析・還元反応などを利用して特定の元素を分離することが多い.精錬工程で処理される原料は毎回同じではないため,効率のよい分離プロセスを実現するには,水溶液に溶かした段階での金属イオンの状態(イオンの価数,錯体の構造,濃度)を簡便に確認できることが望ましい.本研究では,紫外可視分光法を利用して精錬工程での溶液中における錯体を同定および定量する方法を開発する.さらに,対象とする錯体の吸光が電荷移動遷移によるものであることに着目し,錯体の光化学反応を分離プロセスに利用することを提案する.
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度には,白金族金属にアルカリ溶融を施してから酸溶解して得られる水溶液の紫外可視吸光スペクトル測定を行い,錯体の同定や経時変化の確認ができることを確認した.本年度は,アルカリ溶融に用いる化合物を変更した場合に,液中に生成する錯体にどのような変化が生じるかを調査した.また,白金族金属の添加量を変えてアルカリ溶融および酸溶解を行い,濃度の異なる溶液では錯体に変化が生じるかを観察した.この結果,添加量が少ないときと多いときでは主たる生成物が異なることが確認され,その中間にあたる添加量では2種類の錯体が同程度に共存することが明らかとなった.複数の錯体が共存する水溶液については,錯体ごとの存在量をスペクトルから予想する手法の確立を目指した.その過程で,単一の錯体を含んだ錯塩を合成して水溶液に溶解することにより,錯体ごとの典型的なスペクトルを得ることも試みた. 上記の実験と並行して,錯体のスペクトルを理解するため Gaussian を用いた量子化学計算を行った.研究対象としている錯体については量子化学計算の先行研究が少ないため,構造最適化の計算を行って過去に提唱されている構造と比較するとともに,振動計算により安定性の検証を行った.さらに励起状態計算を行い,実験で観測されるスペクトルが量子化学計算で予測されるものと一致するかを調査した.その結果,適切な基底関数および汎関数を選択すれば実験結果とおおむね一致するスペクトルが量子化学計算で導かれることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量子化学計算を取り入れることで実験結果の考察も進んでおり,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
溶液中に存在するイオンの同定および定量に見通しが立ってきたため,今後は液中の錯体の構造を積極的に制御する方法の探索を行う.
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