Project/Area Number |
22K04800
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27010:Transport phenomena and unit operations-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小松 博幸 新潟大学, 自然科学系, 助教 (30738076)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ハイドレートスラリー / ガス吸収 / 物質移動 / マイクロナノバブル / 断熱膨張 / 結晶成長 / 物質移動現象 / ハイドレート核形成 / ガス分離 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,マイクロナノバブル(MNB)存在下における断熱膨張を利用した瞬間セミクラスレートハイドレート(SCH)形成法を開発し,瞬間的にSCHを形成させた際のガス吸収機構とガス分離機構の解明を行う。これらを達成するために,まず断熱膨張環境がSCH形成挙動に及ぼす影響を調査し,氷形成を抑えた適切な瞬間SCH形成方法を明らかにする。続いて,その手法を用いた際のガス吸収挙動に及ぼすガス種の影響を調査する。また,スラリー回収までの時間と回収時の温度操作によるSCH粒子表面分解がCO2分離性能に及ぼす影響を調査する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではセミクラスレートハイドレート(SCH)スラリーへのガス吸収機構がガス種によって異なることを明らかにし,短時間でのガス分離法を開発する。具体的にはマイクロナノバブル(MNB)と断熱膨張を組み合わせた瞬間SCH形成法を検討する。その特殊状況下におけるガス吸収機構を解明し,大幅なCO2分離能の向上を目指す。 令和5年度では形成させたSCH粒子の観察装置を開発し,SCH粒子の形成条件が形成挙動に及ぼす影響を調査した。また,半回分の気泡塔型装置を用いてSCHスラリーへのCO2とN2ガスの吸収挙動を調査した。SCH形成初期段階では粒子数が少なく,目視で観測できないため,位相差顕微鏡でその場観察できるように薄いプレート型の流動部を制作した。流体流量を低流量から高流量に増大させると,結晶核形成後のSCH形成速度は増大した。しかし,短時間でSCHを形成させたスラリーは凝集性が増大した。 ガス吸収現象を明らかにするために,温度スイングさせてSCHスラリーにCO2を吸収させた。定温条件では形成したSCHにCO2は理論通り吸収した。一方,温度を低下させた場合,CO2吸収量は理論値より下回った。ここから温度を上げることでCO2吸収量が低い部分のSCHが分解し,理論通りにCO2吸収したSCHが残った。これより,断熱膨張より瞬間的にSCHを形成させた場合,CO2吸収量が低い部分が一時的に生じるが,SCH回収後温度が上昇するのでそういった部分は分解することが推察される。N2を用いた定温条件の実験では,吸収量が平衡に達する時間はCO2と同等であり,SCH粒子全体にN2は理論通りに吸収された。これはN2吸収により形成されるSCHが少なく,N2の拡散性が高いことが要因である。したがって,瞬間的に形成させた時点のSCHにはN2はあまり吸収されておらず,形成後に徐々にN2が吸収されていくことが推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
断熱膨張を利用したハイドレートの瞬間形成法によりSCHを形成させることができていないため,現在までの進捗状況はやや遅れていると評価した。 一方,気泡塔型ガス吸収装置でのCO2とN2のガス吸収実験を行い,それぞれのガス吸収メカニズムについては明らかにした。これにより,瞬間形成法によりSCHにガスを吸収させた際のガス吸収挙動を推察することは可能となった。また,急速にSCHを形成させたスラリーは凝集性が増すことが確認されたため,適度にSCHを分解させ,適切な固形分率にしてからスラリーを流動させないと管内閉塞することが示唆された。装置開発する際は,スラリー流動化部の設置など対策が求められる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,断熱膨張を利用したSCH瞬間形成法でSCHが形成しなかった要因を検討し,SCHが形成するように装置を改良する。SCHを形成できるようになった後,吐出前後の圧力差(CO2ガスを利用)や温度,SCHを形成する塩の濃度,吐出先の環境(気相,液相)を操作因子として氷の形成を抑え,SCHを多く形成する条件を検討する。その際,CO2やN2の吸収量を測定し,ガス吸収挙動を調査する。気泡塔型ガス吸収装置を用いた実験結果から推察したSCH瞬間形成法でのガス吸収挙動と実際の結果を比較することで,SCH瞬間形成法におけるガス吸収機構を明らかにする。 また,気泡塔型ガス吸収装置を用いて,CO2-N2のガス分離実験を行い,ガス分離性能を評価するとともに,ガス吸収機構から推察したガス分離機構との整合性を確認する。令和7年度にSCH瞬間形成法を用いたガス分離についての研究を実施する。
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