膜結合型酵素の可溶性酵素化とプラズマローゲンライブラリー構築への応用
Project/Area Number |
22K04838
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
岩崎 雄吾 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50273214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ダムナニョヴィッチ ヤスミナ 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (00754673)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 融合タンパク / プラズマローゲン / 脂質 / 酵素 |
Outline of Research at the Start |
プラズマローゲン(Pls)はリン脂質の一種で、痴呆症などとの関連から注目されている。 Plsの詳細な生理機能解明には分子構造が明確な高純度Pls標品が必要であるが、現行の調製法は非常に煩雑である。 そこで、Pls合成酵素であるプラズマニルエタノールアミン不飽和化酵素(PEDS)を用いた酵素合成を検討する。 本酵素は4回膜貫通型の膜酵素であるため、通常の組換え大腸菌での直接発現は困難である。 そこでタンパク質工学的に改変しPEDSを可溶性酵素化し、得られた可溶性PEDSを利用してPlsの酵素合成を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
微生物およびヒトPEDSのN末端側にMBPを、C末端側にApoAIを付加した発現プラスミドを構築し、融合タンパク質として大腸菌で発現を試みた。微生物PEDSは低温での発現誘導により細胞内に可溶性タンパクとして発現し、細胞破砕液の遠心分離上清から回収することができた。さらに回収した微生物PEDSをニッケルNTAアガロースにより精製できた。精製したPEDSのCDスペクトル測定の結果、本タンパクは一定の立体構造をとっていることが予想された。 一方、ヒトPEDSのMBP-ApoAIとの融合タンパクは可溶性はおろか、不溶性タンパク質としても発現しなかった。抗MBP抗体を用いたウエスタンブロットの解析から、このヒトPEDS融合タンパクはN末端に付加したMBPまでは翻訳されるが、PEDS部分の途中で翻訳が停止していることが予想された。ヒトPEDSはそのN末部分が微生物PEDSと比較して長い。そこで、ヒトPEDSのN末端27アミノ酸残基を微生物PEDSの9アミノ酸残基に置き換えたキメラ遺伝子を作成し、前述のMBP/ApoAIとの融合フォーマットで発現させたところ、可溶性タンパクとして発現させることに成功した。 可溶性タンパクとして発現させた微生物およびヒトPEDSを用いて、プラスマローゲン合成を試みた。本酵素は電子伝達体としてシトクロムB5(Cb5)と同還元酵素(B5R)を必要とする。別途可溶性タンパクとして発現調製したCb5とB5Rの存在下、有機合成したアルキルアシルリン脂質を基質として酵素反応をおこなったが、プラズマローゲンの合成は確認できなかった。 さらにPEDS融合タンパクのN末端部分に付加したMBPをCb5と置き換えた発現プラスミドを新たに構築し、可溶性タンパクとして発現させることに成功したが、この酵素の活性も検出することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微生物PEDS、ヒトPEDSともに可溶性タンパク質として大腸菌で発現させることに成功した。特にヒトPEDSに関しては微生物PEDSのN末端配列のグラフティングにより可溶性化に成功した。これは一定の成果である。しかしながら、本課題の最終目的であるプラスマローゲンの合成に関しては、調製した酵素に活性が検出されなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
PEDSは酵素本体には非ヘム型の鉄、外部因子としてヘム鉄を含有するCb5を必要とする。次年度はプラズマローゲン合成(不飽和化反応)に必要な因子に見落としがないかを改めて確認するため、in vivo でのプラズマローゲン合成を行う。微生物PEDSをそのまま大腸菌で発現させた場合、大腸菌の膜画分に回収されることを確認している。そこで、PEDS, Cb5, B5Rを共発現させた大腸菌菌体に蛍光標識したアルキルアシルリン脂質を取り込ませて反応後、脂質を抽出してプラズマローゲンに変換されるかを検出する。蛍光標識型リン脂質はアルキル鎖部分に蛍光色素を結合させたもので、代表者が独自に設計・合成したものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)