弱い分子間水素結合を利用して構築する多孔質構造体の構造と機能の解明
Project/Area Number |
22K04854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28010:Nanometer-scale chemistry-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
太田 俊 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (20733132)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 水素結合 / 揮発性有機化合物 / 吸着 / 分離 / 錯体 |
Outline of Research at the Start |
分子を水素結合により自己集合させた多孔質構造体(HOF)が新材料として注目されている。本研究代表者は最近、あるニッケル錯体をNーH・・・Cl水素結合により自己集合させることで、柔軟なHOFが構築できることを見出している。なお、ここでの柔軟性とは、物質吸着時における水素結合の切断と再結合を意味する。この成果を起点に本研究では、種々の弱い水素結合を利用して新規HOFを構築し、研究代表者の系における柔軟なHOFの構造と機能との関係を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
分子を水素結合により自己集合させた多孔質構造体をHOFと呼ぶ。本研究では、種々の弱い水素結合を利用して新規HOFを構築し、その構造と機能との関係を明らかにすることを主目的としている。研究初年度となる2022年度の主要な成果として、ある亜鉛錯体を基盤とするHOFが、構造変化を伴うゲスト交換機能を単結晶性を維持したまま示すことを見出した点が挙げられる。単結晶性を維持したままこの機能を発揮できるHOFは先例がない。単結晶X線構造解析により、構造変化を伴うゲスト交換が、HOF骨格を構成する分子間水素結合の一部の切断と、ゲスト分子との新たな水素結合の形成により起こることを明らかにした。水素結合の切断は、骨格構築に従来に比べて弱い水素結合を使用したため起こった、と捉えられる。よって、この成果はHOFの構築に弱い水素結合を利用することの意義の一つを示したものといえる。 本年度には、極性のある揮発性有機化合物を選択的に合成できるニッケル錯体を基盤とするHOFが、ピリジンやアンモニア、メタノールの蒸気を吸着した場合に色を変化させることも見出した。この色変化挙動は、これまでに明らかにしてきたカルボニル化合物やエーテル類、クロロアルカン類の吸着挙動(色変化を示さない)とは対照的である。粉末X線回折や拡散反射スペクトルを測定することにより、この色変化が、配位子置換反応により生じていることを明らかにした。この配位子置換反応による色変化は当初予期していなかった成果である。 これまでの研究に用いてきたものよりも弱い水素結合を利用したHOF構築にも取り組み、合成法やスケールに課題は残すものの、HOFを構築できることを見出した。今後、合成法を確立させることにより、より多様な基質に適応可能な吸着材料となる可能性が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、亜鉛錯体を基盤とするHOFを新たに合成し、その機能からHOF構築に弱い水素結合を利用する意義の一つを、学術論文として提示することができた。また、合成法に課題を残すものの、これまでよりも弱い水素結合を利用してもHOFを構築でき、HOF構築に利用可能な弱い水素結合の範囲を拡張することができた。以上より、本研究の進展は順調であると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度見出したより弱い水素結合により構築されるHOFは、これまでよりも広範に基質を吸着できる機能を持つとの仮説を持っている。この仮説が正しければ、HOFの設計指針として水素結合の強さを提案できると考えている。現状、その合成法を確立できておらず、機能を調べる段階までは至っていないため、今後、その課題を解決するための取り組みを行う。また、当初想定していなかったものの本年度明らかにすることができた配位子置換反応によるHOFの色変化挙動活かした材料開発にも取り組む。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)