Hexagonal-Ge結晶薄膜形成による光機能創発
Project/Area Number |
22K04869
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28030:Nanomaterials-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安武 裕輔 東京大学, 大学院総合文化研究科, 技術専門職員 (10526726)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | hexagonal / germanium / germanane / germanene / molecular beam epitaxy / ゲルマニウム / Hexagonal / 原子層 / 低次元構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ポストシリコン材料の有力候補であるゲルマニウム(Ge)の機能開拓に向けて、Hexagonal-diamond Ge(Hex-Ge)構造とGe原子層(ゲルマネン)構築手法の開発を行い、未踏領域であるHex-Ge低次元構造の物性を明らかにすることを目的とした研究を行います。 インターカラント介在Ge低次元構造エピタキシャル手法を駆使し、CaF2絶縁層をバリア層に有するHex-Ge結晶構造の作製と評価を行い、マルチバレー半導体の光物性への知見を駆使して、Hex-Ge結晶薄膜における発光機能探索として直接遷移端由来蛍光と光利得発現を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
Cubic-diamond型Ⅳ族半導体(c-Si・c-Ge)の性能限界を打破する試みとして、Hexagonal-lonsdaleite型Ge(Hex-Ge)の単結晶薄膜成長手法の確立に注目が集まっている。Hex-Geはzone-foldingによる擬似直接遷移化・有効質量変調による電子移動度向上など、従来のc-Geとは異なる物性の発現・機能向上が期待される。 これまでCa介在Geエピタキシ法を用いて、Ⅳ族半導体基板上に成長したCaGe2 結晶薄膜への化学修飾処理によりHex-Ge骨格を有するGe薄膜が形成されることを見出してきたが結晶性の向上が課題であった。そこでRHEEDパタンの精査、XRD評価からCaGe2薄膜の成長条件の最適化を行った。CaGe2下結晶薄膜の評価として、塩酸処理によるCa除去を行い、水素終端処理したHex-Ge原子層(Germanane)の伝導特性を評価したところ、15 KにおいてバルクGeを凌駕する100000 cm2/Vsの正孔移動度と6500 %の磁気抵抗を示すことを見出した。これはHex-Geと良好な接触を形成可能な金属電極材料の探索とCaGe2成長時の最適な基板温度追跡の結果である。 また化学処理を用いないHex-Ge結晶薄膜の形成に向けて、Hex-Geと格子整合する新規下地層の探索を行い、下地層上にGeをエピタキシャル成長させることに成功した。今後は透過電子顕微鏡によるHex-Ge構造の直接観察、中赤外領域の光学計測系整備からHex-Geバンドギャップに相当する4um近辺における光機能に関する物性評価に注力する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規結晶構造を有するゲルマニウム薄膜形成に向けて、結晶成長に関する基幹技術の構築は順調に進行している。結晶性評価の一端であった水素終端Hex-Ge多層膜の輸送特性における予想外な正孔伝導の振る舞いは、Hex-Geの高い潜在能力を示しており、当初の研究計画を超える大きな成果を得ることができた。しかしながら、観測されたバルクGeを凌駕する正孔伝導はこれまで報告されてきた理論計算の再考を促すものであり、機構について慎重に検討している。 新規下地層上に形成したGe薄膜において、RHEEDパタン、RHEED振動の観察とXRD評価からGeのエピタキシャル成長を確認しており、300℃から700℃までの広帯域な基板成長温度条件下において安定して形成することを見出している。一方で結晶構造解析において、透過電子顕微鏡での直接的構造評価を予定していたが、超高真空結晶成長装置の排気系トラブル対応による予期せぬ出費から今年度中に実施することが叶わなかった。しかし装置のダウンタイム中に温度制御系から機械駆動系統まで、ほぼ自動化・リモート制御可能な状況を構築できたため、今後はより効率的に結晶成長を行い結晶構造と光機能評価に関する研究を推進したい。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶成長条件に関する基本的な項目の洗い出しはほぼ終了した。一方で溶液処理・化学修飾による新奇Ge結晶形成についてはまだ精査できていない。そこで結晶成長に関する研究においては、新規下地層上のGeエピタキシャル薄膜成長を継続して進展させるとともに、CaGe2結晶のCaフッ化処理によるCaF2を障壁層に有するHex-Ge量子井戸形成に関する研究を並行して行う。結晶性評価は透過電子顕微鏡による結晶構造の直接観察を主として推進する。 結晶薄膜の物性評価については、共同研究による輸送特性評価を継続して行うとともに、Hex-Geにおけるバンド折返しによる擬似直接遷移化の実証として、主に中赤外発光分光に関する研究を推進するとともに、バレー選択励起法による電子ラマン散乱観測からHex-Geのバンド分散評価を試みる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)