Project/Area Number |
22K04872
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28030:Nanomaterials-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐藤 英樹 三重大学, 工学研究科, 教授 (40324545)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / セルロースナノファイバー / 複合シート / 静電紡糸法 / ポリマーナノファイバー / 複合材料 / 機能性シート / 紡績 / 機能性フレキシブルシート |
Outline of Research at the Start |
カーボンナノチューブ(CNT)は機械的・電気的に優れた特性を有している。またセルロースナノファイバー(CNF)は木材を原料とする再生可能材料で,優れた機械的特性を有する。これらを組み合わせて紡績糸や紡織布が作製できれば,機械的に強靱で様々なセンサ機能を有する機能性フレキシブルシートの創製が可能になる。本研究では,CNTとCNFにより,任意の構造を持つ紡績糸及び紡織布の作製法を開発し,これにより機能性CNT・CNFシートを創製,フレキシブルエレクトロニクスへの応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,導電性材料であるカーボンナノチューブ(CNT)と,絶縁性材料であるセルロースナノファイバー(CNF)を複合化した新規電気電子材料を創製し,これをフレキシブルエレクトロニクスへ応用展開することを目標として研究を行っている。 当該年度は,前年度作製に成功したCNT/CNF複合シートさらなる大面積化,およびその電気特性の向上を目標に研究を行った。その結果,従来よりも6倍以上の面積を有するCNT/CNF複合シートの作製に成功し,CNTとCNFの混合比,および使用するCNTの特性が,作製する複合シートの電気特性(シート抵抗)に与える影響が明らかになった。また複合シートの作製工程によっても複合シートのシート抵抗に影響を与えることも確認された。さらに,CNFと混合するCNTとして強磁性金属内包CNTを用いたCNT/CNF複合シートの試作を実施,強磁性が付与されたCNT/CNF複合シートの作製に成功した。 上記に加え,従来のアプローチとは異なる,静電紡糸法を利用したCNT/CNF複合体シートの作製を検討した。この方法ではCNTとCNFをポリマーに分散した溶液を作製し,これを金属ノズルから強電界の効果により引き出し,ナノファイバー化しシートを作製する。その予備評価として,CNF/ポリマー複合体ナノファイバーの試作を行い,最適なナノファイバー作製条件を明らかにし,さらにその機械的特性評価を行った。さらにポリマーナノファイバーの配向形成にも成功した。これによりCNT/CNFポリマーナノファイバー作製のために必要な条件を明確にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度作製に成功した,CNT/CNF複合シートの大面積化を目指した検討を行った結果,その大きさを従来の2 cm角から5 cm角の大きさまで大面積化することが可能となった。シート作製に用いている方法は,CNT/CNFを型枠に流し込んでシート状に成型する方法(キャスト法)であり,本方法により容易に大面積のシートを作製可能であることが分かった。 複合シートの電気特性については,前年度から実施していたCNT添加量依存性に加え,添加するCNT長さがシート抵抗に依存性を調べ,複合シートの低抵抗化に適したCNT添加量およびCNT長さを決定した。また,複合シート作製時に行う,CNT/CNF溶液をシート状に成形するプロセスが,形成される複合シートのシート抵抗に影響を与えることが分かった。さらにCNFに添加するCNTとして,強磁性金属内包CNT(Fe@CNT)を用いてCNT/CNF複合シートを作製したところ,Fe@CNT由来の強磁性を有するFe@CNTを作製できることを確認した。以上より,導電性のみならず強磁性も付与されたCNT/CNF複合シートの作製に成功した。 上記に加え,静電紡糸法を用いた,CNT/CNF複合シートの作製のための予備実験を行った。この方法は,ポリマーを強電界で引き出してナノファイバー作製を作製する方法である。本研究ではポリマーとしてポリビニルアルコールを使用し,これにCNFを添加してナノファイバーの作製を試みたところ,太さ400 nm程度のポリマーナノファイバーにより構成されるシートの作製に成功した。作製されたシートは前述のキャスト法で作製したものよりも柔軟で粘弾性を示した。引っ張り強度を調べたところ,CNFが添加されているものは,添加されていないものと比較して引張強度が増加することが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,添加するCNTとしてFe@CNTを使用し強磁性が付与されたCNT/CNF複合シートの作製,および静電紡糸法を用いたCNT/CNFポリマーナノファイバーシートの作製を中心に研究を進める。 強磁性CNT/CNF複合シートについては,磁化の大きさが制御された,さらに磁化方法が制御されたCNT/CNF複合シートの作製を目指す。また前年度に目標としていながら実施できなかった,複合シート内のCNT配向方向の制御について, CNTの添加方法や,複合シートの作製法を検討することにより実現を目指す。同様に前年度に実施できなかった, CNTとCNFが積層化されたシートの作製方法についても検討しする。さらに,CNTとCNFが均一に混合された複合シートのみならず,CNT濃度を局所的に、任意に変化させてシート内に導電性の高い箇所をパターン形成する方法についても検討する。 CNT/CNF複合ポリマーナノファイバーシートについては,ポリマー中へのCNT/CNF添加量の増加をさらにさせ,その機械的特性と電気的特性の解明と制御法の確立を目指す。また添加するCNTにFe@CNTを用い,シートへの強磁性の付与も目指す。さらにポリマーナノファイバーの配向方向の制御を行い,シートの機能性制御を目指すとともに,このナノファイバーを紡績した, CNT/CNF複合紡織糸の作製を目指す。
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