Project/Area Number |
22K04899
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28050:Nano/micro-systems-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
上野 祐子 中央大学, 理工学部, 教授 (30589627)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | マイクロ粒子 / 酸化グラフェン / DNA / ハイブリダイゼーション / 吸着 / センシング / グラフェン / バイオマーカー / シリカ粒子 / 分子認識 / センサー |
Outline of Research at the Start |
バイオマーカー分析においては、構造や性質が類似している多種類の分子を成分ごとに定量的に検出するため、物質分離が重要である。本研究では、従来より簡便で迅速な物質分離手法を提供するため、シリカマイクロ粒子の表面に、目的物質と吸着するプローブと、回収用基板に固定したリガンドと結合するプローブを同時に固定し、プローブの自在な機能発現制御によって目的物質の分離回収を可能とするシステムを実現する。本研究により、様々な物質が混合した微量な試料における新奇な多成分分離法を提供し、検出対象物質を効率的に局所濃縮した高感度センシング応用が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、目的物質と吸着するプローブ(Ti)と、回収用基板に固定したリガンド(Ri)と結合するプローブ(Si)を同時にシリカ粒子の表面に修飾し、目的物質の分離回収を可能とすることを目的とする。2023年度は、T1にストレスマーカー分子であるαアミラーゼに対する蛍光標識アプタマ、S1には塩基数約30の1本鎖DNAを用いた検討を行った。このシリカ粒子を用いて、ヒト唾液中濃度レベルのαアミラーゼの検出が可能なことを確認した。またシリカ粒子が基板に固定されることも確認したが、シリカ粒子の密度が過剰である場合は粒子同士の凝集が起こりやすく、基板への固定率の低下が確認された。よって、適度にシリカ粒子が孤立するように条件を最適化した。S1のみをシリカ粒子表面に修飾したときと比較して、T1とS1の両者を修飾した場合の固定率は減少した。このとき修飾時の濃度比はT1: S1 = 1:1としたが、αアミラーゼの検出限界は、T1の密度がもう少し少なくても十分な性能が得られる可能性があるので、今後の設計指針で適切な比率を検討していく。また別途、Riを固定する基板として、表面修飾したグラフェンや酸化グラフェンを用いている。これを電極として共存する妨害成分を酸化還元反応により除去できれば、粒子表面におけるセンシング感度が向上すると着想し、基板の電極性能の評価も試みた。 また、α-シクロデキストリン(α-CD)がアゾベンゼンのトランス体を包接するが、シス体を包接しないことから、光スイッチ式の粒子固定化制御法を考案し、S2とR2にそれぞれアゾベンゼンおよびα-CDを用いた場合について検討を行った。S2を修飾したシリカ粒子のR2修飾基板への固定率は、シス体が生成する紫外線照射下と比較して、トランス体が生成する可視光照射下で高くなったことを確認し、α-CDとアゾベンゼンの包接安定性と相関があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今期はT1にストレスマーカー分子であるαアミラーゼに対する蛍光標識アプタマ、S1には塩基数約30の1本鎖DNAを用いた。蛍光顕微鏡像による観察から、ヒト唾液中濃度レベルのαアミラーゼの検出が、このシリカ粒子を用いて可能なことを確認した。またシリカ粒子が固定用基板に一定量固定されることも確認した。さらに、適度にシリカ粒子が孤立するよう粒子導入条件を最適化した。以上から課題はおおむね順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後またαアミラーゼ以外の目的物質と吸着するプローブ(T2)の導入についても検討する。具体的にはストレスマーカーとして知られる免疫グロブリンA、クロモグラニンA、コルチゾールのいずれかを標的とするアプタマをT2として用いる。2022年度に検討した、S2とR2にそれぞれアゾベンゼンおよびα-シクロデキストリンを用いた基板固定法と組み合わせ、S1-T1とS2-T2をそれぞれ同時修飾したシリカ粒子を用いて、異なる種類のストレスマーカが混合した試料溶液からの分離検出を試みる。
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