ホウ素と磁性金属界面の作製とその偏極光電子によるスピン伝導測定
Project/Area Number |
22K04928
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29020:Thin film/surface and interfacial physical properties-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中川 剛志 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (80353431)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 二次元物質 / 強磁性表面 / スピン偏極光電子 / ホウ素薄膜 / スピン依存電子伝導 / 光電子分光 |
Outline of Research at the Start |
二次元原子層の高い電子移動度と強磁性薄膜のスピン偏極を組み合わせたデバイスは次世 代電子材料の有力候補である。グラフェンを用いた研究が多くなされているが、本研究ではホウ素薄膜をニッケルなどの強磁性薄膜上に作製し、その電子スピンに依存した電気伝導を光電子分光法により明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は二次元原子層であるホウ素薄膜と強磁性薄膜界面を作製し、その電子スピン輸送をスピン偏極した光電子により非接触に測定し、界面結晶構造と電気的・磁気的特性の関係を明らかにすることである。 今年度は1)ホウ素薄膜試料の作製と物性評価、2)光電子によるスピン偏極電流測定系の立ち上げについて行った。 1)ニッケル上のホウ素はホウ化ニッケルを形成し、ホウ素薄膜が得られない場合がある。研究ではニッケルの(111)面と(110)面を基板として比較研究した。ホウ素を高精度で蒸着するために質量分析器および蒸着源のイオン電流でモニターした。(110)ではホウ化物が形成されるが、(111)では二次元ホウ素薄膜が形成されることを放射光XPSや第一原理計算から明らかにした。今後の研究発展のためにはホウ素薄膜を大気中で移送する必要がある。まずはタングステン表面上のホウ素薄膜のBN膜による保護を検討した。2層ホウ素膜の表面側の2層目のホウ素を窒化しBNとして、大気安定性を検討した。その結果、短時間の大気暴露ではタングステンに近い1層目のホウ素は酸化されないことが分かったが、数日オーダーの長期間大気暴露した場合はホウ素薄膜は酸化され、揮発することが分かった。 2)スピン偏極電流生成のために中心波長250nm深紫外LEDを使い、光電子測定装置を製作した。試料には高電圧および0.1T程度の磁場を同時に印可できるようにし、光電子を効率よくまた磁場依存性を測定できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホウ素蒸着量を制御するために前年度に質量分析計を導入した。ホウ素の蒸発量を直接測定できるようになり、ホウ素薄膜作製が容易になった。さらに高強度の新紫外光LEDを導入したので、光電子を高速で測定できるようになった。しかし、光電子の磁場依存性の測定には時間を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はホウ素/ニッケル系の試料での光電子の磁場依存性を測定する。また、ホウ素薄膜を大気中でも移送できるようにBN層で保護できる試料を新たに作製する。保護したホウ素薄膜は放射光施設でX線磁気円二色性測定する予定である。X線磁気円二色性測定によりニッケル上のホウ素薄膜にどの程度の磁化が誘起されているか定量的に明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)