Project/Area Number |
22K04943
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29030:Applied condensed matter physics-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小野 満里絵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (80883090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 紀之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (10334921)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 乱流 / 標準 / LDV / 空間分解能 / 高レイノルズ数 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、標準という概念が存在しない乱流分野において壁乱流の乱流強度分布におけるスケーリング則を明らかにし、流れ場の状態や計測の妥当性を評価するための指標;「乱流標準」を確立することを目的とする。ここでは、乱流強度の内層ピークおよび対数領域のスケーリング則に注目し、高レイノルズ数円管流れの信頼性の高い結果を示すことを目指す。このために、乱流強度の計測に強く影響するLDVの空間分解能やフリンジの歪みといったパラメータをLDV校正装置によって実測する。本研究は流量の国家標準設備によって理想状態の流れ場を高レイノルズまで実現し、オンサイトでLDVパラメータを計測することで計測の高精度化を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
R4年度は、乱流標準となりうるスケーリング則の確立に向けて3方向速度成分の乱流強度分布の計測を行った。更に、3方向成分の合計値として得られるTurbulent kinetic energy(TKE)の取得にも成功した。摩擦レイノルズ数Reτ=10000を超える3方向およびTKE分布の結果は世界初である。また、これまで流れ方向成分で多く議論されてきた内層ピークのレイノルズ数依存性や外層に存在する対数領域の挙動をその他の成分およびTKEについて調査した。その結果、内層ピークは流れ方向のみならずスパン方向およびTKEにおいてもレイノルズ数依存的に増加し、その増加傾向は先行研究で報告されていた対数傾向ではなく、最大値に向かって漸近していく傾向を示すことが明らかとなった。また、対数領域に関してはReτ=10000以上のレイノルズ数条件において流れ方向およびスパン方向、そしてTKEにおいても確認された。垂直方向成分においては同じレイノルズ数条件において一定領域が観測された。流れ方向およびスパン方向では同じ領域に対数領域が出現し、垂直方向成分の一定領域のみがわずかに内層側にずれる結果が得られた。しかしながら、垂直方向の乱流強度値は他の成分の値と比較して小さいこと、一定領域以降も緩やかに値が減少していることなどから、TKEの対数領域は結果的に流れ方向およびスパン方向の対数領域と一致した。 本研究成果についてはR4年度に国際学会にて1件の発表を行った。また、現在これに関する論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度はじめのステップとして小口径(100 mm)におけるReτ=20000の3方向の乱流強度分布の計測を実施した。すでにこれらの実験結果の解析を行っており、高レイノルズ数における乱流強度分布の対数領域の確認、それらの定数、また、内層ピークのレイノルズ数依存性の検証などを行ってきており、高レイノルズ数円管流れにおける、多くの新しい知見を得ることができている。更に、これまでデータの不足から議論できなかった高レイノルズ数のTKE分布の取得にも成功し、より包括的な議論が可能となっている。このような観点から、当研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度についてはより壁近傍においてより正確な計測を実現するために実流動場(水中)での校正を行う装置の開発に取り掛かる。また、大口径配管において摩擦レイノルズ数Reτ=40000におよぶ乱流強度分布の計測を実施する予定である。実験結果は小口径の配管における結果と比較することで互いの結果の妥当性を担保し、乱流標準となりうるスケーリング則の確立を目指す。最終的には得られた結果をデータベースとして公開することを予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)