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蛍光タンパク質の光褪色過程の解明に向けた光明滅サイクルの過渡応答解析

Research Project

Project/Area Number 22K04972
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

須田 亮  東京理科大学, 創域理工学部先端物理学科, 教授 (80250108)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Keywords蛍光タンパク質 / 光明滅 / 光褪色 / 励起状態吸収 / 過渡応答解析 / 多光子励起 / 蛍光顕微鏡
Outline of Research at the Start

光タンパク質の光褪色現象はさまざまな蛍光観察の障害であり、その改善が切望されている。しかし、詳細は未だ明らかにされておらず、現状では励起光強度を下げて光褪色を避けるなど当座しのぎの対応がとられているに過ぎない。申請者らはこれまで、可逆的な光明滅(ブリンキング)サイクルにおいて、蛍光分子が暗状態に滞留する時間が長いと、見かけ上、光褪色のように振る舞うことを示した。本研究課題では、この光明滅過程について定量性のある実験をもとに過渡応答解析を行い、光明滅サイクルから離脱して真に光褪色に至る蛍光分子の割合を求める。さらに、その結果をもとにして最終生成物の構造解析に繋げる。

Outline of Annual Research Achievements

蛍光タンパク質の光褪色現象はさまざまな蛍光観察の障害でありその改善が切望されている。しかし、その詳細は明らかではなく、励起光強度を下げて光褪色を避けるなど当座しのぎの対応がとられている。また、超解像顕微鏡では光褪色が重要な役割を担っているにもかかわらず、未だ個々の分子種について経験値に頼っているのが現状である。申請者らはこれまで、暗状態から励起状態吸収を経て光褪色に至ることを示唆する結果を報告した。また、可逆的な光明滅(ブリンキング)サイクルにおいて、蛍光分子が暗状態に滞留する時間が長いと、見かけ上、光褪色のように振る舞うことを示した。
本研究課題では、この光明滅過程に関して定量性のある実験をもとに過渡応答特性の解析を行い、光明滅サイクルから離脱して光褪色に至る蛍光分子の収率を求めることを目的とする。
昨年度、緑色蛍光タンパク質を一光子および二光子で励起することでそれぞれ光明滅に伴う蛍光強度の過渡応答を観測し、結果を解析して光褪色に至る経路について考察した。 しかし、蛍光タンパク質を固定するために用いたアガロースゲルにおいて、光吸収に伴う加熱により構造に変化が生じ、レーザー照射中に蛍光分子が徐々に拡散していることが判明した。これは光褪色量を過小評価することになるため、この影響を回避することが急務となった。
本年度は、上記の経過をもとに実験装置の光学的配置と試料の温度管理により改善を試みたが、十分な結果は得られなかった。ただし、拡散の影響が無視できる照射開始直後の減衰曲線については問題がないことから、照射開始から1秒程度まではアガロースゲルを用いた多分子系の観測を採用し、その後の緩やかな特性については過去に実施した一分子観察の結果を用いることとした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度、cwレーザーの連続照射による蛍光強度の減衰曲線と間欠照射による回復曲線をさまざまな励起光強度に対して取得した。この測定結果を、励起状態吸収(ESA)を含む5準位系モデルをもとにした解析結果と比較して、各準位の速度定数と寿命を求め、光明滅サイクルのモデル化を行なった。しかし、実験において蛍光タンパク質を固定するために用いたアガロースゲルが光吸収により加熱され、構造が変化することで、レーザー照射中に褪色した蛍光分子が周囲に拡散していることが判明した。この影響は特に回復曲線に表れて、可逆的な光明滅サイクルに滞留する蛍光分子を過大評価させるとともに、光褪色量を過小評価させる要因になると考えられた。
本年度はこの問題を解決することが急務となり、光学的配置など実験装置の構成と試料の温度管理により改善を試みたものの再現性のある結果が得られず、引き続き改良を重ねている。また、これと並行して、過去に実施した一分子観察の結果と相補的に用いることを検討している。一分子観察では試料の拡散は生じないものの、EM-CCDカメラのフレームレートが十分でないため照射開始直後の過渡応答を捉えることができない。一方、アガロースゲルを用いた多分子系の観察では、拡散の影響が無視できる照射開始から1秒程度までの減衰曲線については問題がなく、さらに光電子増倍管(PMT)を用いているため時間分解能は十分である。現在、両データを接続しその妥当性を検証するとともに、光明滅サイクルモデルの再構築を進めている。

Strategy for Future Research Activity

大別して以下の3つの方策を実施する予定である。
1つ目は本研究課題で当初より進めてきたアガロースゲルを用いた多分子系の観察について、引き続き照明系と観察系の開口数(NA)を変えて拡散の影響を極力抑制して観測することである。
2つ目として、上記と並行して、過去に実施した一分子観察の結果を相補的に用いる。一分子観察では試料の拡散は生じないものの、EM-CCDカメラのフレームレートが十分でないため照射開始直後の過渡応答を捉えることができない。一方、アガロースゲルを用いた多分子系の観察では、拡散の影響が無視できる照射開始から1秒程度までの減衰曲線については問題がなく、さらに光電子増倍管(PMT)を用いているため時間分解能は十分である。両データを接続しその妥当性を検証するとともに、光明滅サイクルモデルの再構築を進める。
3つ目は一分子観察の再実験である。一分子観察用の全反射顕微鏡にフォトンカウンティングPMTを取り付けて、同一試料に対してPMTとEM-CCDカメラを切り替えて観測可能とする。これにより初期状態から光褪色に至るまで継ぎ目なくデータを取得する。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 蛍光タンパク質の光明滅・光褪色機構2023

    • Author(s)
      須田 亮、中村 岳史
    • Journal Title

      月刊「細胞」

      Volume: 55 Pages: 67-70

    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] 蛍光タンパク質の光褪色過程の解明に向けた過渡応答解析2023

    • Author(s)
      山口 祐一郎,諏訪 友哉,須田 亮
    • Organizer
      レーザー学会第34回年次大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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