Project/Area Number |
22K04988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 文信 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40332746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 庸子 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50452470)
真鍋 勇一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50533668)
加田 渉 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (60589117)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 福島第一原子力発電所 / 硬さ測定 / 高線量率場 / 耐放射線性 / 機械学習 / 福島第1原発廃炉作業 / 廃炉作業 / デブリ / 硬さその場測定 / ロボティクス |
Outline of Research at the Start |
高線量率場における硬さその場測定技術の概念実証を行う。福島第1原発格納容器内の燃料デブリをはじめとする堆積物の取出しのために開発すべき技術のひとつに、堆積物の硬さをその場で測定する技術がある。通常の硬さ測定法は、高い線量率のために使用できない。そこで、開発する硬さ測定システムはロボット機構・センサ部と遠隔制御部に分離され、ロボット機構・センサ部では半導体素子を用いずに、耐放射線性の高い電子部品と機械部品によるシンプルな構造により耐放射線性を持たせている。ロボットがドリルで切削しながら対象物に接触し、接触による力学的な触覚情報を数値化して、機械学習により硬さを評価する測定技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原子力発電所の廃炉作業を効率的に進めるために必要な瓦礫、燃料デブリ等の材質の判別を高線量率場で行うことが可能システムを考案した。瓦礫、燃料デブリ等の材質の判別は、実際の廃炉作業において、どのような切削工具、回収器具が適切であるか、個々の対象物に対して決めるために極めて重要な事であり、材質を簡便に的確に判断することは、作業の効率化および汚染、被ばくの低減を促すものである。しかし、原子炉内は高放射線率場となっているため、放射線に極めて弱い半導体製の電子素子を用いる高性能な分析装置の利用は極めて困難である。そのため、本研究では、耐放射性が比較的高い電気、機械的要素部品を組み合わせたその場材質判別システムを考案し、その試作機を開発し、その性能について調べている。その場材質判別システムは、極細ドリルを利用して材質表面に接触させて削り加工を行い、ドリルの電力負荷と反発力の情報を取得し、それらのデータをランダムフォレストなどの機械学習アルゴリズムで解析することで、候補となる材質を推測することが出来る。令和5年度では、硬度の異なる金属や脆性の異なるセメントを対象に、機械学習のための訓練データを収集するために実験を行い、その場材質判別システムの有効性について調べた。さらに、その場材質判別システムの高線量率場での動作確認を行うために、高強度コバルト60照射場(最大400Sv/h)にて動作試験も行い、その健全性についても確認をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で述べたその場材質判別システムを設計し、試作機を製作した。システムの高放射線率場に設置する部分は、モータや機構部品で組み合わせたもので極めてシンプルな構造となっており、汎用の既製品の電気、機械部品を利用したものである。そのため、製作は幾つかの段階にわけて動作特性を調整、改良しながら進めたので、順調に製作することが出来た。機械学習アルゴリズムで利用する訓練データのための標準材料については、各種の金属材料に加えて、脆性の異なるセメントを用意した。特に、脆性特性の異なるセメントの作成については、学内で福島第1原発1号機のペデスタルコンクリートの損傷について調査研究を進めているグループ(1F-2050)と相談し、セメントサンプルの試料作成について助言を頂いた。材料を判別するための機械学習アルゴリズムについては、幾つかのクラスタリングのためのアルゴリズムが候補にあげられていたが、品質の良いプログラムがオープンソースコードとして利用することが可能となっていて、最終的に判別性能が高いランダムフォレストを採用した。実験結果より得られる削り加工のデータは、前処理が必要で、その前処理の方法については十分に検討したため、研究全体に費やした時間の割合は高い。さらに、大阪公立大学のコバルト60照射施設を用いて高線量率場におけるその場材質判別システムが正常に動作することを確認した。コバルト60施設の窓口を担当してくださった宮丸教授(大阪公立大学)が本研究の内容について深く理解して頂いたため、線量率測定、システムの照射部、遠隔操作部の設置方法など適切なご助言とご協力を頂いたことは非常に大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、報告書を纏めるだけでなく、開発したシステムの知見をまとめて論文投稿を行う予定である。そのため、論文を執筆するためには、研究成果をもう一度、見直し確認することが必要である。例えば、不足しているデータについては実験を再度実施し、解析法に誤りがないか、確認作業を行う。また、必要であればその場材質判別システムの改良と新たな材質を判別するための解析法について考案出来れば、それらを導入し、より性能の良いシステムにする。
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