Development of extraction of low-grade coal resource and CO2 storage system for Hydrogen supply chain
Project/Area Number |
22K05005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹岡 孝司 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20444862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英樹 九州大学, 工学研究院, 教授 (70253490)
濱中 晃弘 九州大学, 工学研究院, 助教 (20758601)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 石炭地下ガス化技術 / 低品位炭 / 水素生成ポテンシャル / CO2マイクロバブル / 高炉スラグ / 炭酸塩鉱物 / 低品位石炭資源 / CO2地中貯留 / マイクロバブル / 採掘跡の有効利用 / カーボンオフセット / 水素サプライチェーン |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ボアホールマイニングシステムによる低品位炭採掘技術とCO2ガスモルタルを用いた採掘跡地(地下空間)を利用したCO2地中貯留そして環境修復技術を融合して、実質的にカーボンフリーな低品位石炭資源を用いた水素の製造を可能とする「水素サプライチェーン構築を目指した環境低負荷型低品位石炭資源採掘-CO2貯留システム-」の確立を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、以下の2項目について室内実験により検討を行った。 ①石炭地下ガス化技術を用いた低品位炭からの水素生成ポテンシャル 本実験では、ペール缶を用いて人工炭層試料を作製し実験に供した。本実験結果から、低品位炭においても高品位炭と同様にガス化領域の温度が1,000℃以上を示し、高温領域が広がることが確認された。また、生成ガスの成分および平均発熱量についても、両石炭で顕著な差はなく、低品位炭をガス化した場合においても、可燃性ガスが安定して生成できることが明らかとなった。一方、高品位炭と比較して低品位炭の方が反応石炭量あたりの生成ガス量が少なく、注入酸素量あたりの反応石炭量が多いことも明らかとなった。以上の結果から、低品位炭では石炭より発生する可燃性ガスは少ないものの、き裂生成に伴う反応領域の拡大により反応石炭量および生成ガス量が増大するため、高品位炭と同等の可燃性ガス量を回収できると考えられる。 ②CO2マイクロバブル水と高炉スラグの反応を用いたCO2の固定化 CO2固化材として高炉スラグを選定し、CO2マイクロバブル水と高炉スラグの反応によるCO2の固定化に関して各種室内実験(分離水の溶出イオン測定、XRD試験、熱分析)を実施し種々検討した。その結果、CO2マイクロバブル水中のCO2が消費され、Ca イオン濃度の減少が確認された。また、XRD 試験の結果より、CaCO3鉱物としてCalcite やVaterite が同定されたため、CO2マイクロバブル水中の CO2は炭酸塩鉱物として固定化されたと推察された。さらに、CaCO3 の化学結合が 600℃付近でCaOとCO2に分離することから、熱分析による 600~700℃の重量変化の結果よりCO2固定量を算出した結果、水を混合した試料と比較してCO2マイクロバブル水を混合した試料のCO2固定量が大きくなることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に予定していた「低品位石炭資源開発採掘システムに関する検討」として、石炭地下ガス化技術(以下、UCG)の適用に関して検討を行った結果、これまで適用されてきた高品位炭に比べ、低品位炭では石炭より発生する可燃性ガスは少ないものの、き裂生成に伴う反応領域の拡大により反応石炭量および生成ガス量が増大するため、高品炭と同等の可燃性ガス量を回収できると考えられ、また注入酸素当たりの水素の生成効率についても低品位炭は高品位炭と比較して遜色ないことが示されており、低品位炭は UCG による水素製造において十分なポテンシャルを有することが明らかになった。また、「CO2ガスモルタル充填材の開発およびその評価」として、CO2固化材として高炉スラグを選定しCO2マイクロバブル水を用いてCO2の固定化に関して検討を行った結果、CO2マイクロバブル水中の CO2 が炭酸塩鉱物として固定化されることが明らかになるとともに、その固化過程において炭酸塩化されていないCO2も充填材の空隙内に形成された構造トラップによって貯留されている可能性が明らかとなり、CO2 マイクロバブル水および高炉スラグの反応によるCO2の固定化は効果的であることが明らかとなった。 以上の結果から、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、令和4年度および令和5年度に引き続き以下の項目について検討するとともに、本研究の総括を行う。 ①CO2ガスモルタル充填材の開発およびその評価:CO2ガスモルタル充填材として、令和5年度で検討した高炉スラグとCO2ナノバブル水を用いて、配合および供試体試料の養生期間を変化させて以下に示す各種特性について測定を行い、最適な配合およびCO2固定化の長期ポテンシャルについて検討を行う。1) CO2ガスモルタル充填材の流動性および固化強度、2) 炭酸塩化によるCO2の固化および構造的トラップによるCO2貯留能力の評価、3)炭酸塩鉱物の長期安定性 ②CO2ガスモルタルの現場注入実験の実施:令和4年度に引き続き北海道三笠市で実施予定のCO2ガスモルタルの現場注入実験に参画し、注入特性ならびに注入後の安定性に関するデータを収集し評価を行う。 ③カーボンオフセットを目指した採掘跡地の環境修復工法の開発:採掘跡地の環境修復は、周辺環境ならびに生態系保護の観点からも必要不可欠であることから、検討に必要な情報収集を行うとともにカーボンニュートラルに関する評価・検討を行う。 令和4年度からの研究成果をとりまとめ、本研究の総括を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)