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水素結合系に特有な凝集誘起発光機構の理論的探究と分子論的起源解明

Research Project

Project/Area Number 22K05015
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

山崎 祥平  弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (90570177)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Keywords量子化学計算 / 励起状態 / プロトン移動 / 円錐交差 / 水素結合
Outline of Research at the Start

高濃度溶液中や固体中で生じる凝集誘起発光の起源について、従来は周辺環境の影響によって分子が平面構造を維持するという機構が提案されてきた。しかし、水素結合で分子が凝集した場合には、この機構が当てはまらない例が存在する。本申請課題では、そのような例に該当する分子集合体に着目し、量子化学計算によってその発光機構を分子レベルで理論的に解明することを目的とする。分子の複合体で初めて発現する光化学過程を扱うために、結晶構造から切り出したクラスターの励起状態について計算を行い、発光を生じる分子構造、および発光の起源となる分子軌道を特定する。

Outline of Annual Research Achievements

インディゴとその異性体であるエピンドリジオンの間で発光特性の違いが生じる原因を分子レベルで明らかにするため、それぞれの分子の単量体について、励起状態におけるポテンシャルエネルギー曲面の量子化学計算を実行した。いずれも色素分子であり、可視光を吸収して励起されるが、インディゴでは励起後にほとんど蛍光を発しないのに対し、エピンドリジオンでは強い蛍光が放出されることが知られている。本研究における計算の結果、インディゴについては、励起状態においてほぼエネルギー障壁なしで分子内プロトン移動が起こる反応経路が見いだされた。さらに、プロトン移動後の分子構造において、励起状態と基底状態のポテンシャル曲面間の円錐交差に比較的低いエネルギーで到達することが分かった。これらの結果は、インディゴの励起状態において、プロトン移動、並びに円錐交差を介した無輻射失活が効率的に起こり、これが蛍光消光の原因になっていることを示唆している。また、一連の過程において、インディゴ分子が平面構造を維持することも明らかとなった。一方、エピンドリジオンの計算については、分子内プロトン移動のポテンシャル曲面がインディゴに比べて大きな反応障壁を示すとともに、円錐交差のエネルギーも非常に高くなった。しかも、円錐交差の分子構造は、インディゴとは異なり、平面から大きく歪んだ構造となることが分かった。これらの結果は、エピンドリジオンではインディゴと同様のプロトン移動および無輻射失活は起こりにくく、代わりに平面構造において光化学反応を伴わない蛍光を発することを示唆している。以上の成果は、インディゴとエピンドリジオンにおける発光特性の違いをよく説明するとともに、今後の研究でこれらの分子の凝集状態における発光機構について考察を行うための有用な情報となる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

色素分子の単量体における光化学反応について有用な成果を得た。また、二量体の光化学過程に関する研究を開始している。

Strategy for Future Research Activity

インディゴとエピンドリジオンのそれぞれの二量体における光化学過程について、時間依存DFT法を用いた量子化学計算を遂行する。単量体と同様の分子内プロトン移動に加えて、単量体どうしの水素結合を介した分子間プロトン移動についてもポテンシャルエネルギー曲面を計算し、両者の反応の起こりやすさを比較する。また、分子内および分子間の電子励起エネルギーは、DFT法において適用する密度汎関数の種類に大きく依存することが予想される。そこで、複数種の汎関数について計算を実行し、非経験的分子軌道法の結果との比較等を行うことで、より適切な汎関数を探索する。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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