Vibrational spectroscopic study of supported lipid bilayers with peptides
Project/Area Number |
22K05016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石橋 孝章 筑波大学, 数理物質系, 教授 (70232337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 正人 筑波大学, 数理物質系, 助教 (20611221)
野嶋 優妃 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90756404)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 基板支持脂質二分子膜 / 全内部反射ラマン分光 / 振動和周波分光 / 表面・界面 / 振動分光法 / 脂質二分子膜 |
Outline of Research at the Start |
生体膜のもつ多様な機能は,脂質二分子膜層とそこに含まれている膜タンパク質が担っている.本研究では,そのモデル系として基板支持脂質二分子膜(SLB)-ペプチド複合体を使用し,固体-液体界面を観測するための高感度な振動SFG(VSFG)分光と全内部反射(TIR)ラマン分光を駆使して,膜中の脂質分子とペプチドの配向や分子構造の詳細な情報を得る.また,これまで多くの研究上の蓄積がある固体基板に直接二分子膜を吸着させた接触型SLBに加えて,VSFGやラマン分光による研究例が無い,基板と脂質分子の間にスペーサー分子(水層)を挿入した繋留型SLBの利用も試みる.
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Outline of Annual Research Achievements |
脂質膜と分子の相互作用に関して,昨年度に引き続き,膜結合性の水溶性の色素である4’-ジヘキシルアミノ-4-スルホアゾベンゼン(DHASA)を対象に,この色素が膜中で示す構造や配向をヘテロダイン検出振動和周波発生(HD-VSFG)分光法で研究した.DHASA色素は、分子内に疎水性のアルキル鎖を持つため,この部位を通して膜と相互作用すると期待される.空気とDHASA水溶液の界面にリン脂質の水上単分子膜を準備し,そのHD-VSFGスペクトルを測定し、1600 cm-1に膜と相互作用したDHASAのVSFGバンドを観測した.さらに,量子化学計算で得られる分子定数を使い,バンド強度の偏光依存性を解析することで,界面における分子配向を推定した. ラマン分光による基板支持リン脂質二分子膜(Supported Lipid Bilayer: SLB)の研究として,SLBと相互作用した抗微生物ペプチドであるグラミシジンA(gA)のラマンスペクトルを,全内部反射(Total Internal Reflection: TIR)を利用した界面敏感なラマン分光法によって,測定した.SLBと接した水溶液中にgAを添加する手法と,SLB作製時にあらかじめgAを脂質と混合させる手法の二種類の手法で測定を行い,その両手法でCH伸縮振動バンドとアミドIバンドの観測に成功した.このほかに,Langmuir-Blodgett/Langmuir-Schaefer法で作製したSLBに関して,二分子膜の相の作製時の表面圧依存性と温度依存性についても,TIRラマン分光法で検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に述べたこと以外に,細胞染色用のSHG色素Ap3と脂質単分子膜の相互作用をHD-VSFG分光で進めている.一方,係留型基板支持二分子膜試料の作製に必要な,シリカコートしたフッ化カルシウム基板の作製と評価の作業を進めたが,使用していた蒸着装置(筑波大学の共用装置)に問題が生じ,作製した基板の平坦性がこれまでより著しく悪化するという事態が発生している.現在,この問題の原因究明と解決策の探索を行っている.その点で,研究がやや遅れていると自己評価している.当初の計画を変更し,今後は,係留型でない基板支持二分子膜や水上単分子膜とペプチドや小分子の相互作用に限定して,研究を進めることになる可能性がある.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたように,シリカコートしたフッ化カルシウム基板の作製に問題が発生している.問題解決のために,蒸着装置の状況や蒸着条件,蒸着手法の再検討を試みる.もし問題解決が難しい場合は,当初の計画を変更し,今後は,係留型でない基板支持二分子膜や水上単分子膜とペプチドや小分子の相互作用に限定して,研究を進める.HD-VSFG分光による脂質膜と分子との相互作用に研究に関しては,これまで研究を進めてきた脂質膜染色用色素に加え,細胞膜透過性を持つ水溶性ペプチドとの相互作用について研究を進める.また,脂質膜染色用色素についても,測定温度を変更することで膜の相を変化させることが,配向状態にどのように影響を与えるかを検討する.ラマン分光に関しては,現時点で非係留型SLBとの相互作用を,2種類のペプチドに関して観測することに成功しているが,2024年度は環状ペプチドなどに測定対象を広げて研究を進めることも検討している.
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)