可視光応答型炭素ラジカル発生を導くアリールチオ補助基開発と不斉中心構築への応用
Project/Area Number |
22K05092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
仙石 哲也 静岡大学, 工学部, 准教授 (70451680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅樹 静岡大学, 工学部, 教授 (30313935)
藤本 圭佑 静岡大学, 工学部, 助教 (10824542)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | スルフィド / Hantzschエステル / 可視光レドックス触媒 / 炭素-水素結合切断 / 炭素-硫黄結合切断 / スルホン / アルキン / 可視光応答型 / 炭素ラジカル / 硫黄官能基 |
Outline of Research at the Start |
可視光により選択的な炭素ラジカルを発生させる硫黄官能基を探索する。また、その硫黄官能基を可視光により炭素-硫黄結合切断が可能となる官能基へと誘導化して、炭素-炭素結合形成反応に利用する。さらに、この一連の変換反応を全炭素置換四級不斉中心構築法の開発へと応用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヘテロアリール基を導入したスルフィド基質を合成し、可視光レドックス触媒系による炭素-水素結合切断を調査した。現在までに、酸化的な反応プロセスで所望の結合切断が可能であることを確認し、生じたラジカル種のベンザルマロノニトリルへの付加反応に成功した。また、同反応が水系溶媒でも進行することを明らかとした。 上記検討に並行して、四級不斉中心構築を目指した脱硫型の炭素-炭素結合形成反応のさらなる拡張も検討した。これまでに開発済みのスルホン体のHantzschエステルによる光還元反応を応用することで、新たにスルフィド体を基質とする非触媒系での炭素-硫黄結合切断に成功した。反応解析の結果、この反応がHantzschエステルアニオンの還元能に由来していることを明らかとした。さらに温和な反応条件を調査したところ、有機光レドックス触媒を用いることで、非触媒系で必要とした強塩基を弱塩基で置き換えることに成功した。これらの反応条件下では、第3級アルキル構造をもつスルフィドでも反応の進行がみられたことから、全炭素置換四級不斉中心構築への展開が期待できる。加えて、本有機光レドックス触媒反応系において、ラジカル受容体のスクリーニングを行い、電子不足アルケンやアリールアセチレン、トリフルオロメチルアルケンが適用できることを明らかとした。一連の反応で使用するHantzsch エステルの構造改良も行い、極性基をエステル部位に導入することで、生成物との分離を容易とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までに、アミド基を導入したフェニルスルフィド体とそのエーテル類縁体、ヘテロアリール基を導入したスルフィド体を調製した。一連の化合物に対して、炭素-水素結合切断を試みており、エーテル類縁体とヘテロアリール基を導入したスルフィド体において、新たな炭素-炭素結合形成に成功している。また、エーテル類縁体においては、置換基構造が収率へ大きく影響することが明らかとなっている。 他方、脱硫を伴う置換反応の検討では、スルホン体のHantzschエステルによる炭素-硫黄結合切断ののち、アルキン体とのカップリングに成功し、重水素化アルケンの新たな合成法を提供した。また、スルフィド体の炭素-硫黄結合切断が、類似の光還元的反応条件で進行することも見出した。さらに、光レドックス触媒によりより温和な反応条件下でスルフィドの炭素-硫黄結合を切断することにも成功し、生じたラジカルの電子不足アルケンやアリールアセチレン、トリフルオロメチルアルケンへの付加にも成功した。Hantzsch エステルの構造改良も行い、極性基をエステル部位に導入することで、生成物との分離が容易となった。現在は、上記反応機構の詳細な解析と適用範囲の拡張を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
炭素-水素結合の切断については、メカニズムの詳細な解析を行うとともに、反応条件の最適化と基質適用範囲を明らかにする。炭素-硫黄結合の切断については、他の硫黄官能基への適用について調査を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)