Project/Area Number |
22K05102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
塚本 裕一 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (70323037)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 9-ヒドロキシフェナレノン / 1,8-ジヒドロキシナフタレン / α,β-不飽和アルデヒド / イミニウム中間体 / 二重水素結合供与 |
Outline of Research at the Start |
天然物の部分構造や材料科学分野で注目されている9-ヒドロキシフェナレノンの新規合成法として、アミン触媒を用いた1,8-ジヒドロキシナフタレンとα,β-不飽和アルデヒドのFriedel-Crafts型脱水縮合反応を開発する。最適化された触媒の作用機序、とりわけイミニウム中間体において非局在化した正電荷をもつことが期待されるα-水素原子が水素結合ドナーとして働く可能性について、計算化学的手法により検証する。さらに、キラルアミン触媒の合成法を確立し、各種不斉反応に応用することで、本触媒の有用性を拡張する。
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Outline of Annual Research Achievements |
天然物の部分構造や材料科学分野で注目されている9-ヒドロキシフェナレノン(9-Hopo)の新規合成法として、アミン触媒を用いた1,8-ジヒドロキシナフタレン(DHN)とα,β-不飽和アルデヒドのFriedel-Crafts型脱水縮合反応を開発している。本法は、温和な反応条件下、市販のDHNをイナールやアレナールなどのα,β-不飽和アルデヒドに由来する置換基をもつ9-Hopoへと一工程で変換できる。第二級アミン触媒の設計・合成により、DHNの反応点を制御し、その重合を抑制することを計画した。 咋年度は、これまでに最適な触媒として見出された2-(2-ピペリジニル)-1H-インドールの類縁体の合成と触媒活性の評価を行った。本触媒のN-C-C-N部位の結合角を調整する目的で、インドール2,3位をシス-1,2,3,4,4a,5,6,8a-オクタヒドロキノリン7,8位およびシス-2,3,3a,4,5,7a-ヘキサヒドロインドール6,7位に縮環した触媒を合成した。また、インドール3位置換基によってN-C-C-Nの結合角や1位N-Hの酸性度が変化することが予想されたため、ハロゲン置換体を2-(2-ピペリジニル)-1H-インドールの求電子置換反応、第三級アルキル置換体を2-アシルアニリンと6-アジド-1-ブロモ-2-ヘキサノンのカップリング反応を経て調製した。インドール3位にアリール基を有する触媒の合成については、ブロモ体の鈴木カップリング反応などを検討したが、フェニル基と1-ナフチル基以外のアリール基は導入できていない。 DHNとイナールのカップリング反応は、イナール上の置換基に依存し、アセタールに加え、DHN 2位で1,4-付加が進行したと考えられる副生成物も得られた。検討した触媒の中では、3-ヨード体に副生成物の抑制効果があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
触媒の最適化を目指し、インドール2,3位をシス-1,2,3,4,4a,5,6,8a-オクタヒドロキノリン7,8位およびシス-2,3,3a,4,5,7a-ヘキサヒドロインドール6,7位に縮環した触媒を合成した。2-(2-ピペリジニル)-1H-インドールとはN-C-C-N部位の結合角が異なるこれらの触媒の合成に多くの時間と労力を費やしたものの、残念ながら触媒活性は向上しなかった。研究を担当していた学生の休学などもあり、インドール3位置換体の合成も当初の計画通り進まなかった。その結果、イナールや2,3-アルカジエナールを用いた9-Hopoの合成や、spiropreussione Bの合成、各種不斉反応への応用には至っておらず、「遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2-(2-ピペリジニル)-1H-インドール触媒の類縁体の合成については、インドール3位への電子密度の異なるアリール基および嵩高いアリール置換基の導入を検討する。また、ピペリジン2位のインドリル基とシスの関係にある6位アキシアル水素が水素結合供与能を有しているという作業仮説を検証するため、シスおよびトランス置換ピペリジンを合成する。 最適化された触媒を用い、イナール上の置換基の適用範囲について再度検討を行い、4位または6位に置換基をもつ9-Hopoを合成する。イナールの代わりに2位に置換基をもつ2,3-アルカジエナールを用いることで、5,6位に2つの置換基をもつ9-Hopoも合成する。さらに、イナール上の置換基にもう一つ求電子部位を導入し、DHNのMichael付加により生じたエナミン中間体を捕捉することで、縮環した9-Hopoも合成する。さらに、本手法をspiropreussione Bの合成にも適用する。 また、最適化された触媒の作用機序、とりわけイミニウム中間体において非局在化した正電荷をもつことが期待されるα-水素原子が水素結合ドナーとして働く可能性について、計算化学的手法により検証する。 キラルアミン触媒についても、各種不斉反応に応用し、本触媒の有用性を拡張する。求電子剤をエナールに代えることで、DHNを含む各種フェノール類の不斉Friedel-Crafts反応を検討する。また、触媒のアミン部位と芳香族複素環N-H結合を、それぞれカルボニル求核剤および求電子剤の活性化に利用し、不斉アルドール反応などのエナミン型反応に適用する。
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