Project/Area Number |
22K05141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日下 心平 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80749995)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | metal-organic framework / 化学発光 / 反応化学 |
Outline of Research at the Start |
ナノメートルサイズの空間の中での反応は、空間と反応基質の立体相互作用により特異な生成物を与えるなど、化学反応の可能性を大きく拡げられると期待されている。とりわけmetal-organic framework(MOF)は、その構造設計性により新たな反応場としての応用が期待されている。しかしながら、これまでのナノ空間反応場における反応開発は、生成物に着目した研究が大半で、反応速度に着目した研究はほとんど行われてこなかった。本研究では、柔軟性MOFナノ空間を用いた、微小な反応条件の変化に応答して反応速度が劇的に増加する「反応速度転換機能」を有する反応場の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ナノメートルサイズの空間の中での反応は、空間と反応基質の立体相互作用により特異な生成物を与えるなど、化学反応の可能性を大きく拡げられると期待されている。とりわけmetal-organic framework(MOF)は、その構造設計性により新たな反応場としての応用が期待されている。しかしながら、これまでのナノ空間反応場における反応開発は、生成物に着目した研究が大半で、反応速度に着目した研究はほとんど行われてこなかった。本研究では、柔軟性MOFナノ空間を用いた、微小な反応条件の変化に応答して反応速度が劇的に増加する「反応速度転換機能」を有する反応場の実現を目指す。本研究の目的は、MOFの有するナノ空間構造変化と吸着の共同性に基づく「ゲート型吸着機能」および、ナノ空間と反応の立体相互作用に基づく「反応立体制御機能」を組み合わせ、反応がわずかな反応条件の変化に応答して急激に進行する「反応速度転換機能」を有する反応場を実現することである。 2023年度の研究において、一重項酸素の受容/放出部位であるアントラセン部位および発光色素部位となるポルフィリン亜鉛錯体を同時に有するMOFを加熱しながら蛍光スペクトルを測定することで、一重項酸素の放出に伴う化学発光の観測を試みたが、このMOFは弱い蛍光しか示さないことが分かった。そこで、今回大きな細孔を有する新規アントラセンMOFを新たに開発し、その結晶構造を明らかにした。このMOFも光照射による一重項酸素捕捉と加熱による一重項酸素捕捉が可能であることを確認した。さらに、このMOFに対して色素部位としてメチレンブルーを担持させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一重項酸素の受容/放出部位および発光色素部位を同時に有するMOFについて、当初より安定性および発光特性の高い物質が得られた。また、色素としてMOF骨格ではなくゲスト分子を利用することで、化学発光の発現に適したな色素部位の探索が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られたMOFついて、様々な色素分子を包摂させ、熱分解に伴い発生した一重項酸素からのエネルギー移動に由来する化学発光が観測される条件を探索する。その後、加熱時間に対する化学発光強度の時間変化を追跡することで反応キネティックスを明らかにする。
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