Investigation of visualization of intermolecular hydrogen bonding of linear polymers in the crystal state
Project/Area Number |
22K05217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 園 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (40304745)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | ポリマー結晶 / 電子密度分布マップ / 最大エントロピー法(MEM) / 放射光粉末X線回折データ / 水素結合 / 高分子結晶 / パラクリスタル格子乱れ / 線状高分子 / 結晶構造 / 電子密度分布 / 分子間水素結合 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、大型放射光施設SPrig-8の高輝度X線を利用して収集した高SN比の粉末X線回折データと情報理論に基づく期待値の推定法であるマキシマムエントロピー法(MEM)を応用して、高分子(ポリマー)結晶の電子密度分布を3次元で可視化し、通常の結晶構造解析では不明瞭な結晶構造の乱れと非共有結合性分子鎖間相互作用(分子鎖間水素結合)を可視化可能な精密構造解析法を新たに確立することを目的とする。これまで議論が難しかった高分子結晶が本質的に有する構造の乱れ(パラクリスタル格子乱れ)や弱い分子鎖間相互作用について、結晶状態の高分子鎖の電子密度の空間的な広がりや偏りを可視化することで検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大型放射光施設SPrig-8の高輝度X線を利用して収集した高SN比の粉末X線回折データと情報理論に基づく期待値の推定法であるマキシマムエントロピー法(MEM)を応用して、高分子(ポリマー)結晶の電子密度分布を3次元で可視化し、通常の結晶構造解析では不明瞭な結晶構造の乱れと非共有結合性分子鎖間相互作用(分子鎖間水素結合)を可視化可能な精密構造解析法を新たに確立することを目的とする。
2023年度は、線状高分子の一つであるナイロン6の粉末回折データを用いてMEMによる構造解析を再検討した。冷凍粉砕機で粉末状にした試料を融点以下で熱処理して測定に用いた。ナイロン6の粉末回折プロファイルは、SPring-8の理研ビームラインで計測した。計測回折強度プロファイルについて、バックグラウンド補正を行い結晶と非晶成分にピーク分離した。結晶由来のBragg反射についてナイロン6のα型とγ型の結晶構造に基づき指数付けを行なった。α型結晶のhkl反射ピーク位置からd-spacingを求め、格子定数a,b,cを計算した。hkl反射の観測強度Iobs(hkl)と上記の格子定数を用いて、既知のα型結晶構造モデルを初期構造としてSHELEXで結晶構造を精密化した。精密化後の結晶構造因子Fcal(hkl)の位相角Φcal(hkl)を使って、Iobs(hkl)から求めた観測構造因子Fobs(hkl)の実数項と虚数項を計算した。一連の反射のFobs(hkl)を用いてMEM解析を行い、R-facor(MEM)が10.58%の3次元電子密度分布マップを最適解として得た。一方で、体積分率で約1パーセント含まれるγ型結晶由来の反射を分離せずにα型結晶由来の反射に含めて結晶構造の精密化とMEM解析を行った場合、最適解のR-facor(MEM)は15.76%であった。前者のR-facor(MEM)が10.58%の3次元電子密度分布マップでは、隣接分子鎖間でNH…OC水素結合の存在が示唆される電子密度の広がりが可視化された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度病気治療を受けるため、研究活動の縮小を余儀なくされました。このことから、本研究の遂行にも多大なる影響があり、当初の予定より遅れている状況です。体調は回復段階にありますので、本研究への取り組みに於いて挽回したいと思います。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年12月に開始した新薬での点滴治療に於いて2024年5月の段階で効果が認められており、体調も徐々に回復しつつある。今度は、当初の研究計画スケジュールに従って進めるように努めていきたい。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)