キラル情報の長距離伝播と増幅能を有する超分子らせんペプチドの創製と応用
Project/Area Number |
22K05220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
逢坂 直樹 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (80726331)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | らせん構造 / α-ヘリックス / キラル / ペプチド / 自己組織化 / キラリティ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、らせん形成性の高いアキラルなアミノ酸からなる動的ならせんペプチドに様々な官能基を導入することで自己組織化する超分子を設計・合成し、動的ならせん間での相互作用を介してキラル情報の相互伝達・増幅が可能なシステムを構築するとともに、超分子構造の内部に生じるキラル空間を活用した分子認識や不斉反応への応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、らせん形成性の高いアキラルなアミノ酸からなる動的ならせんペプチドに様々な官能基を導入することで自己組織化する超分子を設計・合成し、動的ならせん間での相互作用を介してキラル情報の相互伝達・増幅が可能なシステムを構築するとともに、超分子構造の内部に生じるキラル空間を活用した分子認識や不斉反応への応用を目指し、以下に示す成果を得た。 アキラルペプチド鎖からなる動的らせんの側鎖間を適切な位置で一重に分子内架橋することで、右巻きと左巻きらせんの相互交換が著しく遅い(数分オーダーの時間尺度)動的なα-ヘリックス構造を構築することに成功した。さらに、一重の分子内架橋を施したアキラルペプチド鎖のC末端に光学活性なL-Val-OH残基を導入した動的なα-ヘリカルペプチドを合成し、有機強塩基またはトリフルオロ酢酸の添加による末端のカルボキシ基の脱プロトン化/再プロトン化を駆動力として、らせんペプチドの優先する巻き方向を可逆的に反転させることにも成功した。 一方、アキラルペプチド鎖に二重の分子内架橋を施すことで、動的なα-ヘリックスを静的なα-ヘリックスに変換できることがわかった。また、この静的な特徴を活かし、光学活性基を持たないアキラルな構成単位のみからなるα-ヘリカルペプチドを合成するとともに、そのキラルHPLCを用いた光学分割により、光学活性がα-ヘリックス構造のみに由来するとともに光学純度が100%の一方向巻きのα-ヘリカルペプチドを得ることにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の計画通り、動的ならせんペプチド鎖の望みの位置に官能基を導入するとともに、導入した官能基と剛直な架橋剤との反応により、分子内架橋を施した動的ならびに静的なα-ヘリカルペプチドを合成した。また、酸塩基の刺激により、動的なα-ヘリカルペプチドの優先する巻き方向を可逆的に反転させることに成功した。これらの成果は学術論文として投稿準備中であることから判断して、おおもね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度で得られた結果と動的ならせんペプチド鎖が有する『キラル情報の長距離伝達能』の特徴を最大限に活用し、以下の研究を開始する。 前年度に合成した剛直ならせんペプチド鎖を用いたかご状のキラル超分子を合成し、様々のゲストを包接可能なキラル空間の構築を目指す。また、内部空間へのゲスト分子のサイズやキラリティ選択的な包接が可能かどうかについて、NMRやCDを用いて詳細に検討する。らせんペプチド鎖の側鎖は自在に修飾可能であるため、異なるサイズや形状のキラル空間を有するかご状超分子の合成も可能である。そこで、目的とするゲスト分子に対して、さらに高選択的な包接能を示すキラル超分子の合成も行い、その実現を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)