Project/Area Number |
22K05245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 智康 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (60585917)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ポリへドラルオリゴメリックシルセスキオキサン / キラルシリカ / 分子認識 / らせん / 表面 / 界面 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では固体高分子同士が接触する界面においてキラル認識が可能となることを、ブロック共重合体をプローブとすることで明確に示し、さらにそれから形成されるキラルシリカが固体高分子のキラリティーを認識することを研究期間内に明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ポリへドラルオリゴメリックシルセスキオキサン(POSS)含有立体規則性高分子に対して、少量のキラルドーパントを混合することで、高分子の主鎖が一方方向に巻方向が制御されたらせん構造を形成すること、さらに試料を焼成することでらせん構造を保持したキラルシリカが得られることを明らかにしている(JACS Au, 2021, 1, 375.)。研究初年度は、得られたキラルシリカの分子認識挙動に関する評価を試みた。研究に先立ち、キラルシリカをフェノール/メタノール溶液に浸漬することで、キラルシリカへのフェノール分子の内包挙動を円二色性分光光度計(CD)より評価した。フェノール分子はアキラルな分子であるため、特徴的なCDシグナルは観測されない。一方、キラルシリカに対してフェノールを導入した試料からは、分裂型のコットン効果が観測された。また、そのコットン効果は、キラルシリカの巻方向に対応しており、右巻きあるいは左巻きシリカの間において鏡像関係が示された。この結果は、本手法に基づき調製したキラルシリカが、分子を認識し、らせん内部に分子を内包していることを示している。 この知見に基づき、キラルシリカへ蛍光分子を内包させた。一般的に固体の蛍光分子は自己消光するが、キラルシリカ内部には蛍光分子と共に、溶媒分子もキラルシリカ内に内包されることから、自己消光が抑制され、これに伴う円偏光発光(CPL)が観測された。蛍光分子の最適化に関する検討を引き続き進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究提案では、固体状態のキラル化合物が固体分子を認識することを明確に示すことを研究の目的として掲げている。この目標を達成するためには、キラルシリカに対する分子認識の検討が必要不可欠であるが、その評価法は著しく制限される。キラルシリカの内部のらせんに沿って分子が配列されることで始めて円二色性分光光度計(CD)に基づく評価が可能となる。本年度の成果は、キラルシリカが分子を認識し、その内部に分子を選択的に内包していることを示しているものであり、固体同士のキラル認識挙動を理解する上での極めて重要な一歩である。また、本研究を通じて、円偏光発光(CPL)が観測されており、キラルシリカを利用した新たな材料開発への道筋が拓かれつつある。この観点から、本研究は現状において、当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに得られた結果をまず、学術論文としてまとめる。 キラルシリカと高分子との固体界面におけるキラル認識に関する検討を推進していく。目標達成に向けて、キラルシリカ内部に高分子を認識する空間が十分に存在することを示していく。具体的には、キラルシリカの内部に3-ヘキシルチオフェンなどのモノマーを充填し、酸化カップリング重合反応を試みる。重合反応後、円二色性分光光度計(CD)測定に基づき、キラルシリカに沿って高分子の主鎖骨格が配置されること、CD測定に基づく高分子のキラル認識が可能であることを明確に示していく。さらに、キラルシリカから重合した高分子を取り出し、分子量、分子量分布などの情報を取得する。分子認識の分子量の上限に関する情報の取得を目指す。さらに、最終目標である、高分子とキラルシリカとの固体界面での分子認識に関する検討に着手する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Preferred-handed helical conformation in organic-inorganic hybrid block copolymers with well-controlled stereoregularity2022
Author(s)
Satoshi Kometani, Tomoki Kato, Kei Manabe, Tamio Seko, Yu-Ning Chang, Huai-Rou Luo, Yoshihiro Agata, Noboru Ohta, Teruaki Hayakawa, Syuji Fujii, Yoshinobu Nakamura, Ming-Chia Li, Tomoyasu Hirai
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Journal Title
Journal of Polymer Science
Volume: 60
Issue: 5
Pages: 766-773
DOI
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