Project/Area Number |
22K05276
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
若林 隆太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (30546172)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | アルミナ / 多孔質材料 / 自己組織化 / ベーマイト / 比表面積 |
Outline of Research at the Start |
γアルミナはその表面特性に加え、高比表面積という特長から触媒・吸着分野における代表的な担体として利用されている。本研究ではその更なる高性能化を図るため、理論限界まで比表面積の高いγアルミナの合成を目的とする。具体的には、γアルミナが熱力学的な安定相となる比表面積の上限である370 m2 g-1を目指す。高比表面積化の方法として、均一な孔径の細孔が最密に充填された多孔質γアルミナを合成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
γアルミナは、その表面特性や比表面積の高さから、触媒・吸着分野において盛んに利用されている。本研究ではそれらの分野における性能の最大化のために、γアルミナの熱力学的な理論限界までの高比表面積化(370 m2 g-1)を目指している。高比表面積化のアプローチとして、溶媒揮発に伴う両親媒性有機分子の自己組織化による多孔質構造形成に加え、アルミナ源として微細な粒子径のベーマイトのゾルを利用する。ベーマイトからγアルミナへはトポタクティックな構造転換が可能であるため、ベーマイトと両親媒性有機分子の協奏的な自己組織化により形成した構造を最大限保持しながら、γアルミナの形成が可能となる。それにより、多孔質構造の崩壊によるγアルミナの比表面積の減少を抑制することができると考えている。 両親媒性有機分子の自己組織化においては、粒径3-5 nm程度のナノ粒子の分散液を利用することがナノスケールの構造形成に好ましいと考えられている。昨年度の検討ではベーマイトの粒径の微細化が充分でなく、両親媒性有機分子を利用した自己組織化による多孔質構造形成の恩恵を充分に享受することができなかった。そこで本年度は粒径の小さいベーマイトのゾルを調製する方法を開発し、高比表面積のγアルミナを合成することを試みた。 ベーマイトの分散液の調製では、当初は昨年度同様に大過剰の熱水中でアルミニウムアルコキシドを加水分解して酸で解膠する方法(Yoldas法)を種々検討したが、粒子の微細化に限界を感じた。そこで、ゾルの調製方法から新たに開発し、その調製されたゾルを利用して多孔質のγアルミナを合成したところ、目標とする比表面積にほぼ一致する373 m2 g-1の多孔質アルミナを合成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・高比表面積のγアルミナを合成するため、分散液中のベーマイトの粒子径を前年度よりも小さくし、両親媒性有機分子の自己組織化による多孔質構造形成による効果を最大限反映させられることを試みた。ベーマイトゾルの調製方法として、昨年度まで用いた大過剰の熱水中でアルミニウムアルコキシドを加水分解して酸で解膠する一般的な方法(Yoldas法)を種々検討したが、ベーマイトの粒径を充分に微細化することは困難であると判断した。そのため、ゾルの調製方法について種々検討し、外観が無色透明となるようなゾルの調製方法を新たに開発した。 ・新たに開発した方法により調製したゾルを利用し、多孔質のγアルミナ合成を試みた。得られた試料はXRD測定からγアルミナの存在が示された。更に窒素吸着測定から、比表面積373 m2 g-1、平均細孔径5 nm(BJH法;脱着等温線より計算)の多孔質構造が示された。また、SAXS測定ではd=7 nm の周期構造に帰属可能なピークが観測され、比表面積の向上に寄与する細孔の密な充填と周期的な配列が存在することがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
合成した多孔質γアルミナやその前駆物質について多面的な分析を行い、結晶相や結晶化の程度等、材料そのものについて、より詳細な情報を得ることを試みる。研究実施計画に記載の通り、耐熱性向上や触媒としての利用のための他成分の添加や、合成した多孔質γアルミナを利用した触媒評価を行い、高比表面積の触媒担体としての有用性を検証する。
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