Hydrogen permeation membran consisiting of TiNi allloys and proton conductive oxides as a Pd alternative
Project/Area Number |
22K05288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
板垣 吉晃 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (30325146)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 水素透過膜 / Ni-BCZY / サーメット / 合金サーメット / 水素拡散 / 両極性伝導 |
Outline of Research at the Start |
水素透過膜におけるPd合金の代替材料として,NiTi合金とプロトン導電性酸化物からなるサーメット材料の開発を行う。従来のNi-サーメット材料は分離膜中での電子とプロトンの移動による両極性伝導を用いるものであったが,材料のプロトン導電率による性能の限界があることから,新たにサーメット内の金属相内で電子と水素原子を共に移動させることで,両極性伝導と水素原子拡散の2つの水素透過機構を併せた新たな水素透過膜の開発を目指すものである。研究では,サーメットの金属とセラミック相の組織制御を行い,水素透過率に及ぼす影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,水素原子拡散とプロトン-電子両極性伝導の両方を利用した,新たなサーメット型水素透過膜の作製と特性評価を目的としており,良好な水素原子拡散能と耐水素脆化性が知られている,NiTi合金粉末とプロトン導電体であるBCZY系酸化物のサーメットの作製と評価に取り組む。 令和5年度は,単独のNi金属を含むBaCe0.4Zr0.4Y0.2O3-d(BCZY)サーメット膜の水素透過特性の評価を行った。Niを40vol%含むサーメット膜(Ni40/BCZY60)において,温度の上昇に伴って水s透過率の上昇が見られ,700oCでは0.268 ml/min(供給側 4%H2, 掃引側 100ppmH2)というこれまでに報告されているNiサーメット系水素透過膜と比べて,比較的高い水素透過率を示すことがわかった。Ni-BCZYは,以前報告したNi-(BaCe0.8Y0.2O3-d)BCY-(Gd0.1Ce0.9O2-d)GDCサーメットとほぼ同等の水素透過能を示した。Ni-BCY-GDCではGDC添加によりNiおよびセラミック相の結晶粒が微細化することがわかっており,これにより高い両極性伝導率を発現したもとの考えられたが,Ni-BCZYの場合,GDC無添加にもかかわらず,焼結後の組織の微細化が確認された。このことから,Ni-BCZYは焼結過程での粒成長性が低く,組織が微細化した結果,Ni-BCY-GDCと同様に高い水素透過性能を発現したものと考えられる。 さらに,Ni-BCZYサーメッのCO2雰囲気における熱重量分析の結果より,高いCO2耐性を示すことがわかった。したがって,CO2を含む水素ガスの分離にも適用可能である事がわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は水素原子拡散と両極性伝導の両方を発現する新たなセラミック水素透過膜の作製と特性の評価を目的としている。 サーメット型水素透過膜において,高温(1400oC~)での膜焼結後の金属及びセラミック相の粒成長の抑制が,水素透過性能に大きな影響を及ぼすことがわかっている。これまで,高いプロトン導電率が知られているBCY(BaCe0.8Y0.2O3-d)を用いたNi-BCYサーメット膜の水素透過特性を調査し,1400oCでの焼結後にNiおよびセラミック組織が粗大化するという課題を見出してきた。本課題に対して,10vol%のGDC(Gd0.1Ce0.9O2-d)を添加することにより組織の粗大化を抑制でき,これに伴って高い導電率と水素透過性を示すことを見出した。 令和5年度では,継続して粒成長を抑制できる組成の探査を行ったところ,セラミック相としてBCZY(BaCe0.4Zr0.4Y0.2O3-d)1成分を含有する40vol%Ni-60vol%BCZYが適していることを明らかにすることができ,さらに両極性伝導による高い水素透過特性を示すことを明らかにすることができた。さらに,高いCO2耐性も確認することができている。 これらの知見に基づき,Ni相をNiTi相に置き換えることで,水素原子拡散と両極性伝導の両方を発言できる可能性があり,令和5年度はNiTi-BCZYへの展開していくため基礎的な知見とデータが得られたものと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は最終年として,本研究の最終目標である,新規水素透過膜であるNiTi-サーメット膜の作製および水素特性性評価に取り組む。 セラミック相は前年度の成果に基づいてBCZY(BaCe0.4Zr0.4Y0.2O3-d)を用いる。NiTi-BCZYの作製においては,原料としてNiTi合金粉末を用い,BCZYとの混合粉末を焼成することにより作製する。この際,大気中焼成ではNiTiがNiOとTiO2に分解することが懸念される。そこで,高温還元焼成炉を用い,雰囲気制御を行うことで,NiTi-BCZYの作製を試みる。 作製したNiTi-BCZYについて水素透過特性評価ならびに耐CO2性の評価を行う。得られた水素透過データに基づいて,サーメット膜中における,水素原子拡散と電子-プロトン両極性伝導の寄与について,原子拡散の寄与を含んだWagner式に基づいて明らかにする。最終的に,本研究で開発するサーメット膜が現行のPd合金水素透過膜の代替となりえるかを明らかにしていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)