Project/Area Number |
22K05306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 悟史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40725420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 一記 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80735960)
福間 早紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (50964128)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 電極/電解液界面 / SEI膜 / インピーダンス |
Outline of Research at the Start |
Li-ion電池に代表される液系二次電池において、電極/電解液界面のイオン輸送過程は充放電速度を律する過程の一つであり、その速度は[1]界面におけるイオンの脱配位過程、または[2]電解液の酸化・還元分解によって形成する界面皮膜(以下、SEI膜)をイオンが通過する過程によって決定されると考えられている。しかし、これらの影響を明確に切り分けることに成功した研究例は提案者らの知る限り存在しない。本研究では電極/電解液界面のイオン輸送特性に対する[1],[2]の影響を分離して定量的に評価するための実験手法を提案すると共に、得られた知見を広く公開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、SEI膜形成電位よりも高い反応電位を有するLi4Ti5O12(LTO)を用い、SEI膜を持たないLTO電極とSEI膜を持つLTO電極を作り分けて交流インピーダンス測定を行うことにより、二次電池の電極/電解液界面におけるイオン輸送のサイエンスを解き明かすことである。 2023年度は2022年度に開発した非破壊対象セルを用いて測定した、SEIを持つまたは持たないLTO電極の単極のインピーダンススペクトルをシミュレーションおよびフィッティングにより解析を行った。ナイキストプロットに表れるLTOの電荷移動抵抗とSEI膜に由来する抵抗を含む円弧の特性周波数が2桁異なっているため、それぞれを完全に分離することが可能であり、各抵抗の逆数のアウレニウスプロットから活性化エネルギーを算出することができた。SEI膜を有するLTO電極の電荷移動抵抗値は、SEI膜がない場合と比較してそれほど変化しない一方で、その活性化エネルギーはSEI膜を持つLTOのほうが大幅に低くなり、SEI 膜形成により電荷移動メカニズムが変化していることが明らかとなった。SEI膜抵抗から算出される活性化エネルギーは49 kJ/molであり、HOPGやグラファイト粒子でよく報告される溶媒和リチウムイオンの脱溶媒和プロセスの活性化エネルギー (50 ~ 60 kJ/mol) に近く、SEI膜の形成により、脱溶媒和が起こる場所がLTO粒子表面から、SEI膜表面に移ったと考えられる。これらの成果を論文にまとめ、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度で電荷移動抵抗とSEI膜の抵抗を分離して電荷移動過程の解析を行うところまで進める計画であったため、おおむね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度でSEI膜形成が電荷移動過程にあたえる影響を交流インピーダンス法で解析する方法を確立できたため、2024年度はSEI膜形成剤となる添加剤を含む電解液を用い、XPS測定と上記のインピーダンス法を用い、SEI膜の化学組成とその役割の関連を明らかにしていく。
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