Photoinduced bond cleavage and formation of indolizine derivatives and its application to life science research
Project/Area Number |
22K05325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡邊 賢司 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (90631937)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | インドリジン / 光反応 / 金ナノクラスター / アミン / カルボン酸 |
Outline of Research at the Start |
光により速やかに共有結合の形成と切断を起こす化学反応は、生命科学研究に役立つ生体材料やプローブ分子の開発に役立つと考えられる。本研究では、芳香族複素環化合物の一種であるインドリジン化合物を用いた、共有結合形成と切断を伴う新たな化学反応を開発する。本反応を活用し、機能性分子の集結と放出ができる生体材料や生体分子の迅速な標識法の開発を行う。さらに、生体深部で薬物放出を行うドラッグデリバリーシステムを意識し、生体透過性がより高いX線や超音波の照射によって機能性分子の放出と連結を行う新たな反応系を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、共有結合形成と切断を行う光反応を開発し、それを用いて生命科学研究や創薬に役立つ新たな生体材料を創出することである。我々はこれまで光増感剤の存在下、赤色光を短時間照射することで、芳香族複素環化合物の一種であるインドリジンから、カルボン酸またはアルコール化合物を放出する光反応を開発してきた。本反応を生命科学研究への応用を進めていく中で、細胞や生体内ではインドリジンと光増感剤の2つの成分が希釈され、光反応の効率が低下する問題が生じた。また、特定の標的部位で光反応を行いたい場合、標的分子と結合するターゲティングリガンドをインドリジンに連結する必要があった。このため、生体内で機能する光反応を実現するには、インドリジン、光増感剤およびターゲティングリガンドを光反応性や親水性を損なうことなく適切な配置で集結させる新たな担体の開発が必要となった。本課題を解決するために、我々はサイズの小さな金ナノクラスターに着目した。アジド基とアミノ基を持つ二反応性金ナノクラスターを用いることで、赤色光照射で抗がん剤を放出するインドリジン、光増感剤およびターゲティングリガンドを金ナノクラスター上に簡便に導入することができた。最後に、これらの金ナノクラスターの抗がん活性をヒト肺がん由来A549細胞を用いて検証し、赤色光照射により顕著な細胞毒性を示すことを明らかにした。本研究の成果を特許出願するとともに、査読付国際論文誌に公開した(Chemical Science, 2024,15, 1402-1408)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで開発してきたインドリジンの光反応を実際に生体系に応用する上で新たな課題が生じた。インドリジンと光増感剤を光反応性や親水性を損なうことなく適切な配置で集結する新たな担体の開発が必要となった。アジド基とアミノ基を持つ二反応性金ナノクラスターを新たに開発し、これをインドリジンの光反応の担体として用いることで、課題を解決できた。これにより、本研究はおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
インドリジンを導入した金ナノクラスターの実用化に向けて、正常細胞への副作用を最小限に抑えながらがん細胞に特異的に結合するターゲティングリガンドの導入を試みている。現在、3つ以上の機能性分子を組み込むことができる三反応性の金ナノクラスターの開発を進めており、実現できれば、インドリジン、光増感剤およびターゲティングリンガンドを均等に配列した新たな金ナノクラスターが合成できると考えられる。また、金ナノクラスターの特性を理解するためには、放射光X線回折の専門家との協働が必要であると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)