Project/Area Number |
22K05374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38010:Plant nutrition and soil science-related
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
小林 安文 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, 任期付研究員 (00836968)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | Chenopodium quinoa / 高塩ストレス / Naイオン / 無機イオン / 塩ストレス |
Outline of Research at the Start |
塩類集積土壌等の不良環境に高い耐性を備える高栄養価作物キヌアについて、遺伝的に均質なキヌア自殖系統の中からNaイオンの集積性が異なる系統を用い、高塩ストレス環境でのNaイオンとNaイオン以外の無機イオンが関連する応答機構を解析する。Naイオン低集積性および高集積性キヌア系統を選抜し、網羅的な無機イオンの集積性および遺伝子発現解析、全ゲノム配列比較解析を実施することで、キヌアの高塩環境での栽培適応に必須となるNaイオンおよび他の無機イオンの制御機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
Chenopodium quinoa(キヌア)は、高い環境適応性および優れた栄養特性を備えている。本研究では、塩類集積土壌においても高い適応能力を示すキヌアについて、高塩環境への適応に対するNaイオンの集積制御と栄養無機イオンの輸送制御機構の役割を明らかにする。そこで、塩生植物に特異的なNaイオンの隔離器官の一つである塩嚢細胞を形成していないことを確認したキヌア幼苗段階に着目し、他の植物種と大きな形態的差のない生育段階でのNaイオンと他の無機イオンの集積特性を評価している。これまでに、高塩ストレス処理した幼苗におけるイオンクロマトグラフ法での無機イオン分析の結果、遺伝学的に分類された北部、南部高地型および低地型とするキヌア集団からNaイオンの集積性が異なる代表系統を選抜している。そこで、それらの代表系統を用いて、同様の高塩ストレスに対する器官ごとのRNA-Seqを実施した。比較トランスクリプトーム解析の結果、キヌアのNaイオン集積の増加と関連した遺伝子発現応答パターンや系統間で特徴的な遺伝子発現を示す遺伝子グループを分類した。特に、Naイオンが高集積な低地型系統と低集積な南部高地型系統について、これまでにコントロール条件、今年度に塩ストレス条件での組織全体のロングリードRNA-Seqを実施した。また、これまで十分な参照ゲノム配列が整備されていなかった北部および南部高地型代表系統について、高精度な参照ゲノム配列を構築した。キヌアの高塩環境での栽培適応に必須となるNaイオンおよび他の無機イオンの制御機構に関わる候補遺伝子を遺伝子発現および配列情報から選抜する解析基盤を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Naイオンの集積性が異なる系統間での比較トランスクリプトーム解析の結果、キヌアのNaイオン集積の増加と関連した遺伝子発現応答パターンや系統間で特徴的な遺伝子発現を示す遺伝子グループを同定することができた。これまでに実施している低地型の高集積系統および南部高地型の低集積系統のコントロール条件での組織全体のロングリードRNA-Seq(Iso-Seq)に加えて、それら系統の集積性に差が生じる塩ストレス処理期間での組織全体のIso-Seqを分析委託した。また、北部および南部高地型系統に関して、高精度な参照ゲノム配列を構築できた。これらの解析から、特徴的な遺伝子発現パターンを示す遺伝子について、高塩ストレスに対して生じる特異的なアイソフォームやそれら遺伝子の発現量および遺伝子構造の系統間差を評価でき、キヌアの高塩ストレスへの適応に重要となるNaイオンを含む無機イオンの輸送制御に関して候補遺伝子を選抜することが可能となった。また、高集積および低集積な系統を交配した集団の世代を進め、集積差と関連する原因遺伝子を同定するための組換え近交系集団を整備した。集団の各系統について、高塩ストレスに対するNaイオン集積を分析し、高集積および低集積なグループを決定した。両グループのショートリードシーケンシングを行い、Naイオン集積の分離と連鎖して分離するDNAマーカーの同定も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
キヌアの高塩ストレスへの適応に重要となるNaイオンを含む無機イオンの輸送制御に関して候補となる分子機構を決定する。そのため、Naイオンが高集積および低集積系統のコントロールおよび高塩ストレス条件でのRNA-SeqおよびIso-Seqの発現プロファイルを比較し、系統間および高塩ストレス応答に対してアイソフォームレベルで異なる遺伝子を明らかにする。Naイオンの輸送制御に関しては、植物種を超えて保存されているNaイオントランスポーターファミリーに着目して解析を進める。多くの植物種でNaイオンの集積に影響を与えることが報告されているトランスポーターについて、キヌアにおいても輸送制御に関わることをキヌアでウイルス誘導ジーンサイレンシング(VIGS)法を用いて検証する。作成されたサイレンシング個体は、無機イオンの定量分析およびイオンの蛍光インジケーターを用いた局在解析を行い、Naイオンを含む無機イオンの集積性を評価する。加えて、系統間の高塩ストレス応答に顕著な遺伝子発現の特徴を示す遺伝子についてもVIGSによる機能解析を実施する。また、高集積と低集積系統の交配集団を用いた順遺伝学的な手法からもNaイオンの輸送制御に関する候補遺伝子の選抜を目指す。
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