Project/Area Number |
22K05387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Yamagata Prefectural Yonezawa University of Nutrition Sciences |
Principal Investigator |
成田 新一郎 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 教授 (30338751)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 外膜タンパク質 / シャペロン / プロテアーゼ / 細菌細胞表層 / 表層ストレス応答 |
Outline of Research at the Start |
外膜タンパク質はグラム陰性細菌や二重膜構造を持つオルガネラに存在し、外膜の機能に重要な役割を果たしている。グラム陰性細菌の外膜タンパク質は細胞質で合成された後、内膜を透過し、ペリプラズム空間を横断して外膜に輸送される。ペリプラズム空間には種々のシャペロンタンパク質が存在し、外膜タンパク質が正しく外膜に組み込まれる過程を保証している。これまでに数多くのペリプラズムシャペロンが同定されているが、各々の基質選択性や生理的機能は十分に解明されていない。本研究ではペリプラズムシャペロンと外膜タンパク質との相互作用を解析することによって、外膜タンパク質の生合成機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
グラム陰性細菌の外膜に存在するβ-バレル型の外膜タンパク質は、ペリプラズム空間に存在する種々のシャペロンの働きで外膜まで運ばれた後、BAM複合体の作用により外膜に局在化する。本研究課題は、ペリプラズム空間に存在する種々のシャペロンがどのように協調し、外膜タンパク質のフォールディングを支えているかを明らかにすることを目的としている。令和4年度はペリプラズムシャペロンBepAの活性測定系の構築を進めるとともに、BepAと機能面で相互作用する因子を遺伝的相互作用を利用して選択した。 BepAはシャペロン活性とプロテアーゼ活性を併せ持つタンパク質であり、外膜タンパク質であるLptDの生合成の促進と品質管理を介して外膜の機能的完全性の維持に寄与している。これまでに構築されていたBepAの活性測定系では、BepAと基質タンパク質を試験管内で一定時間混合して反応させた後、分解されたタンパク質をSDS-PAGEを用いて検出することによって行われており、基質特異性や反応速度論的パラメータに関する情報は得られていなかった。本研究ではBepAのプロテアーゼ活性部位を覆っているループ領域を欠くBepAΔα9変異体を用いるとともに、消光性蛍光ペプチドを基質として用いることで、BepAの基質特異性を解析する実験系の構築を行った。その結果、BepAによって基質として認識され分解されやすいペプチドのアミノ酸配列に関する情報が得られた。 BepAを中心としたペリプラズムシャペロンネットワークを解明するために、bepA遺伝子と遺伝的に相互作用する遺伝子の探索を行った。bepAを欠失する大腸菌変異株の薬剤感受性を抑制するサプレッサー変異株のゲノムシーケンス解析を行った結果、変異遺伝子が特定され、BepAと相互作用する新たな因子の発見につながる手掛かりが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の一つに、シャペロン活性とプロテアーゼ活性を併せ持つBepAの機能をin vitroで検出する実験系を構築することがある。令和4年度はBepAのシャペロン活性を定量的に測定するin vitro実験系の構築には至らなかったが、BepAα9変異体と消光性蛍光基質ライブラリーを用いることで、プロテアーゼとしてのBepAの基質特異性に迫ることが出来た。また、ペリプラズムシャペロンをコードする遺伝子間の遺伝的相互作用を解析することによってシャペロン間の機能面での相互作用を探索する試みでは、サプレッサー変異株の単離からbepA遺伝子と遺伝的に相互作用する遺伝子を同定することができ、今後解析を進める上での重要な手掛かりを得ることができた。以上のような進捗状況を勘案し、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
リンゴ酸脱水素酵素などのモデル基質を用いてBepAのシャペロン活性を定量的に測定できる実験系の構築を行うとともに、令和4年度に得られたBepAの基質特異性に関する情報を参考にしながら、LptDなどの生理基質を用いたBepAのシャペロン/プロテアーゼ機能をin vitroで再構成する実験系の構築を試みる。また、bepA欠失株の薬剤感受性を抑制する変異に関する情報を手掛かりに、多重欠失変異株などの構築を進めてペリプラズムシャペロンネットワークに迫るとともに、外膜の機能をリアルタイムかつ定量的に解析する手法を検討し、これらの変異が外膜の機能に及ぼす影響を明らかにする。
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