深海微生物叢情報を利用した新規糖質分解酵素の探索及び機能解析と応用展開
Project/Area Number |
22K05398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
澄田 智美 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生命理工学センター), 副主任研究員 (00746331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 聡史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生命理工学センター), 研究員 (70824423)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 糖質関連酵素 / 糖鎖 / グリコシダーゼ / メタゲノム解析 / 海洋 / X線結晶構造解析 / グリコシダーぜ |
Outline of Research at the Start |
糖鎖は多糖・糖脂質・糖タンパク質などの複合糖質として自然界に広く分布し、様々な生命現象の一端を担っている。これまで糖鎖を介した生命現象の解明は、陸上の試料を中心に進められてきており、海洋、特に深海環境の細菌叢を対象とした研究例は極端に少ない。深海環境微生物は、陸上とは全く異なる環境に適応するために独自の生存戦略を持つことから、深海メタゲノム情報には未知の性質を持つ酵素が数多く眠ることが期待される。本研究では深海メタゲノム情報を大規模に活用し、これまで明らかとなっていない深海環境での糖鎖を介した生命現象の解明を行い、糖質関連酵素に関する知見の大幅な拡張と更なる応用へと繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
糖鎖は多糖・糖脂質・糖タンパク質などの複合糖質として自然界に広く分布し、様々な生命現象の一端を担っている。これまで糖鎖を介した生命現象の解明は陸上の試料を中心に進められてきており、海洋、特に深海環境の細菌叢を対象とした研究例は極端に少ない。深海環境微生物は、陸上とは全く異なる環境に適応するために独自の生存戦略を持つことが予想されるため、深海メタゲノム情報には未知の性質を持つ酵素が数多く眠ることが期待される。深海細菌の大半は未培養系統に属し、実験室での培養が困難であるが、海洋水や深海堆積物を対象にしたメタゲノム解析からの探索を行うことで、遺伝子情報に直接アプローチした遺伝子配列探索が可能となる。本研究では、深海環境での糖鎖を介した生命現象の解明を行うため、深海メタゲノム情報を大規模に活用して新規糖質関連酵素の探索を行い、糖質関連酵素に関する知見の大幅な拡張と更なる応用へと繋げる。本年度は深海メタゲノム解析から得られた情報をもとに発見した、細菌・古細菌・真核生物に幅広く分布する新規糖質分解酵素群の網羅的な構造機能解析を行い、本酵素群の機能的多様性の獲得経路の解明を行った。系統解析の結果から、新規糖質分解酵素群は4系統(Group 1-4)に分類されたため、それぞれのグループから新規酵素候補配列を選択し、大腸菌を用いた異種発現系で酵素を作製した。得られた精製酵素を用いて網羅的な諸性質の検討とX線結晶構造解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
深海メタゲノム情報を用いて新規糖質関連酵素を探索した結果、既報の酵素と配列類似性が低い未培養細菌系統由来の新規酵素を発見し、本酵素が既報の酵素と全く異なる配列、基質特異性を持つ新規酵素であることを突き止めた。さらに、深海メタゲノム情報から得られた手がかりをもとに、公共データベースを探索することで、細菌・古細菌・真核生物に幅広く分布する大規模な新規糖質分解酵素群を発見した。新規酵素群は大別して4系統に分かれていたため、それぞれの新規酵素群から配列を複数個選択し、合成遺伝子を用いた異種発現系により酵素を作成し、新規酵素群の網羅的な諸性質の検討を行った。さらに4系統全ての新規酵素のX線結晶構造解析を行い、新規酵素群の基質特異性を立体構造から詳細に解析した。既報の酵素も含めた5系統の酵素の構造機能解析の比較解析から、これらの酵素群はそれぞれ配列相同性はないが、起源を同じくするホモログ酵素であることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
新規酵素群に関して網羅的な構造機能解析から、本酵素群に関する知見を大規模に拡張し、新規酵素群がどのように機能の多様性を獲得してきたかを紐解いた。4系統の新規酵素群は既報の酵素と全く異なる配列と基質特異性を有していたため、今後は個々の酵素に関して詳細な解析を進め、まだ判明していない新規機能の開拓と、産業応用に繋げるための機能改変を目指した検討を行う。また、幅広い基質特異性を持つ酵素の構造解析には成功していないため、X線結晶構造解析に取り組み、単体および様々な基質との複合体の構造解析を行い、多様な基質に対する認識機構の詳細な解析を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)