Analysis of birefringent abnormal organelles that provide a new perspective on proteolytic dysfunction
Project/Area Number |
22K05432
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
白石 博久 岩手医科大学, 薬学部, 特任教授 (80393156)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 線虫 / p97 / VCP / CDC-48 / 複屈折性 / 多系統蛋白質症 / オルガネラ異常 / タンパク質分解 / オルガネラ |
Outline of Research at the Start |
申請者は、モデル生物である線虫を用いて、腸の細胞質内で栄養貯蔵・分解に関わると考えられる種々の小胞の生理応答に着目した研究を行ってきた。その過程で、cdc-48という遺伝子の発現抑制により、偏光観察という特殊な顕微鏡観察で白く輝く特徴的な異常小胞が蓄積することを見出した。cdc-48と似た遺伝子はあらゆる真核生物に存在し、タンパク質分解を始め様々な細胞機能に関わると考えられている。故に、その遺伝子変異は多系統蛋白質症などの遺伝性疾患との関連が報告されているが、その詳細については不明なことが多い。本研究では、申請者らが見出した異常小胞に着目し、その形成・蓄積機構の解明を目指した解析を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
VCP/p97というタンパク質は、酵母から哺乳類まであらゆる真核生物が有しており、細胞内のタンパク質分解を始めとする様々な細胞機能に関わっている。それ故に、その機能不全は、異常タンパク質の凝集・蓄積を生じ、神経・筋変性疾患など種々の遺伝性疾患(多系統蛋白質症)の発症につながる可能性が報告されている。申請者らは、線虫(C. elegans)というモデル生物を用いた解析から、線虫のVCP/p97であるCDC-48の発現を抑制することによって、複屈折性(偏光観察という特殊な顕微鏡観察で白く輝く)を有する特徴的なオルガネラが異常に肥大化し、腸細胞内に蓄積することを見出した。このオルガネラレベルでの新しい異常を指標に、生体内における複屈折性オルガネラの実体解明を試み、細胞内タンパク質分解異常に関連した新たな疾患モデルとしての可能性を提示すべく本研究を進めている。 初年度は、まず、研究計画[1]に挙げていた「線虫cdc-48の発現量と複屈折性異常顆粒形成との関連を明らかにする」ことを目的として、線虫が有する2つのcdc-48遺伝子(cdc-48.1およびcdc-48.2)の遺伝子発現量をリアルタイム-PCR法で比較する系を構築した。これにより、複屈折性異常顆粒の形成には、予想通り、cdc-48.1もしくはcdc-48.2の全長遺伝子(ORF)を用いたRNAiによる両遺伝子の部分的な発現抑制(off-target効果)が起きていることが明らかとなった。更に、研究計画[2]の「複屈折性異常顆粒形成に関与する関連因子の探索」 を目的として、正常な複屈折顆粒の形成に必要な複数の細胞内輸送因子が、複屈折性異常顆粒の形成にも必須であることを見出した。これにより、CDC-48の機能不全に伴う異常オルガネラの形成も、正常な複屈折顆粒の形成に関わる因子群の制御下にあることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に掲げていた[1]、および[2]の一部については、研究実績の概要に示す通り、順調に進展している。また、[2] VCP/p97(線虫CDC-48)の種々のコファクター候補因子と複屈折性異常顆粒形成との関わりについても解析を進めている。一方、[1][2]と併せて、異常顆粒の性状と構成成分を同定する(研究計画[3])のための準備として、複屈折顆粒単離のための手法の検討を掲げていたが、次年度に持ち越すこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に進展の得られたCDC-48.1およびCDC-48.2の発現量と複屈折性異常顆粒形成との関係については、異常オルガネラ出現を引き起こす両タンパク質の量やバランスをより詳細に解析する。また、CDC-48の種々のコファクター候補と異常オルガネラ出現との関係についても、引き続き当該因子の変異体やRNAiを用いて解析を行う。 加えて、複屈折性異常顆粒の性状および構成成分の同定に向けて、各種オルガネラマーカー発現線虫を用いて複屈折性異常顆粒の膜成分の由来を探るとともに、複屈折性異常顆粒に含まれる生体分子を同定するため、複屈折性を指標に線虫破砕液から複屈折性顆粒を単離し、質量分析による成分分析を行うための実験系を確立する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)