Project/Area Number |
22K05446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
北西 健一 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 助教 (90815482)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | ヘム / 病原菌 / ガスセンサー / 酸素 / 一酸化窒素 / c-di-GMP / バイオフィルム / 好熱菌 / グロビン / 病原性微生物 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、酸素や一酸化窒素ガスの結合によって制御される病原性微生物由来センサータンパク質の構造と機能について、生化学、分光学、物理化学などの手法により詳細かつ多角的に理解する。また、X線結晶構造解析を通して、ガスの結合による構造変化と、それによるセンサータンパク質の活性化の作用機序を原子レベルで解明する。このシステムは、ヒトへの感染時にも利用されていると推定されることから、宿主と病原菌間の攻防を分子レベルで解明できると期待される。以上の構造機能相関解析より、このセンサータンパク質を標的とした新しい治療手段、特に抗菌薬の開発として近い将来応用可能な研究を志向する。
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Outline of Annual Research Achievements |
病原性微生物由来ガスセンサータンパク質(GCS-HD-GYP)はN末端にグロビンドメイン、C末端にc-di-GMP分解酵素(フォスフォジエステラーゼ)活性を持つHD-GYPドメインを持っている。このセンサータンパク質のガス選択的活性制御について明らかにし、アメリカ化学会発行Biochemistryに発表し、同誌のFront CoverおよびACS Editors' Choiceに選出された。また、このガス選択的活性制御の構造基盤を明らかにするために、X線結晶構造解析を行った。ガスセンシングに重要なグロビンドメインの結晶化に成功し、Photon FactoryのBL-1Aで3 Å程度の分解能の回折強度データを得た。分子置換法によって、構造解析を行ったところ、ヘムの軸配位子はHisで、ヘム遠位にTyrが存在していた。このTyrがガスセンシングに重要であることが示唆された。また、病原菌由来GCS-HD-GYPと相同性のある好熱菌由来タンパク質の結晶化も並行して進めている。その過程で、好熱菌由来GCS-HD-GYPは、病原菌由来GCS-HD-GYPとは異なり、センサードメインにあるヘムへの硫化水素の結合によって、c-di-GMP分解活性が活性化されることが明らかとなった。その親和性を表す解離定数(Kd)は、1 μM程度と比較的強く結合することが明らかとなった。さらに、硫化水素による活性化の構造基盤を明らかにするために、硫化水素結合状態の構造解析を目的に結晶化を行った。まず、リガンドフリーのタンパク質を用いて、結晶化スクリーニングを行ったのちに、得られた結晶化条件を最適化した。さらに、共結晶化またはソーキングによって、硫化水素結合型の構造解析を試みた。現在までに、2.6 Å程度の回折強度データを収集している。今後、構造解析を進めて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的であった病原菌由来GCS-HD-GYPについての研究はすでに論文化した。今後は、構造解析を集中して行っていく予定である。また、病原菌由来GCS-HD-GYPと相同性のある好熱菌由来タンパク質についても、構造解析を進めていく。また、硫化水素による活性化という研究開始当初に予期せぬ興味深い結果を得ることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き、病原菌由来GCS-HD-GYPの構造解析を集中して行っていく。特に、酸素結合型の類似型であるシアン結合型の構造解析を行う。好熱菌由来GCS-HD-GYPの構造解析は、硫化水素結合型の構造解析を行う。そして、病原菌由来GCS-HD-GYPと好熱菌由来GCS-HD-GYPのガス選択的活性制御機構について、原子レベルで明らかにすることを目的に研究を進めて行く。
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