グラム陰性菌が産生する複合糖脂質の普遍領域糖鎖合成と機能解明
Project/Area Number |
22K05453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
一柳 剛 鳥取大学, 農学部, 教授 (00302240)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | グリコシル化反応 / リポ多糖 / リポオリゴ糖 / グラム陰性菌 / L-グリセロ-D-マンノヘプトース / 3-デオキシ-D-マンノオクツロン酸 / 分岐糖鎖合成 / 糖鎖 / 化学合成 / ライブラリー / 自然免疫 |
Outline of Research at the Start |
グラム陰性細菌は細胞外膜にリポ多糖(LPS),リポオリゴ糖(LOS)と呼ばれる複合糖脂質を産生する。これらは免疫に関係する重要な分子である。共同研究者により細菌性髄膜炎の原因菌であるNeisseria属細菌のLPS/LOSの糖鎖部分を認識するヒト抗体の存在が明らかにされた。しかしそのエピトープは未解明のままである。 本研究では,申請者が取り組んでいるLPS/LOSの構造普遍領域糖鎖(コア糖鎖)の精密化学合成の手法を基盤に,Neisseria属LOSのコア糖鎖ライブラリーを作成し,上記エピトープ、殺菌性抗体産生に必要な最小構造の解明と,コア糖鎖の自然免疫における機能を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
グラム陰性細菌は細胞外膜にリポ多糖(LPS),リポオリゴ糖(LOS)と呼ばれる複合糖脂質を産生する。これらは免疫に関係する重要な分子である。共同研究者により細菌性髄膜炎の原因菌であるNeisseria属細菌のLPS/LOSの糖鎖部分を認識するヒト抗体の存在が明らかにされた。しかしそのエピトープは未解明のままである。 本研究では,申請者が取り組んでいるLPS/LOSの構造普遍領域糖鎖(コア糖鎖)の精密化学合成の手法を基盤に,Neisseria属LOSのコア糖鎖ライブラリーを作成し,上記エピトープ,殺菌性抗体産生に必要な最小構造の解明と,コア糖鎖の自然免疫における機能を明らかにする。 今年度は、ナイセリア属細菌が産生するリポオリゴ糖の内部コア糖鎖の中性五糖の完全立体選択的合成を達成した。具体的には2,3-カーバメート基を有するD-グルコサミン誘導体を供与体として使用し、ヘプトースの2位水酸基へのグリコシル化することで従前の立体選択性の問題を解決した。またこの反応の機構はグリコシド結合形成後に、ピラノース環の開裂を伴った再閉環による異性化によるものであることを、ピラノース環が開環した反応中間体を単離することによって突き止めた。さらにこの反応をヘプトビオース、分岐構造を有する四糖受容体と縮合することで完全立体選択的に中性三糖、五糖の合成を完了した。 得られた三糖をKdo二糖受容体と立体選択的に縮合することで、ナイセリア属LOSの内部コア五糖の化学合成を完了した。 Kdoを供与体とするグリコシド結合形成反応における立体化学の制御の開発を岐阜大学安藤らのグループと共同で実施した。その結果、Kdoのカルボキシ基と5位水酸基を適切な鎖長で架橋した誘導体を供与体に使用することで、完全なα立体選択的なKdo化反応を達成した。この方法を使用することにより、Kdo二量体、三量体の化学合成にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Neisseria meningitidis, Haemophilus influenzaeが産生するLPS,LOSの内部コア糖鎖の合成を完了した。またこれらの部分糖鎖加え Escherichia coli, Rhodobactor属 LPSの部分糖鎖の合成を実施し、糖鎖ライブラリの拡充を進めた。 Neisseria属LOSのコア糖鎖合成における課題であったグルコサミン供与体を用いるcis-グリコシド合成の問題を供与体デザイン変更により解決した。加えて反応を詳細に調査し、反応機構がピラノース環の開環、再閉環によるモノであることを突き止めた。立体選択的なKdoグリコシド結合形成反応を共同研究により達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、糖鎖ライブラリーの量の確保を主体的に進めるとともに糖鎖構造の種類の拡充を図る。 連続3分岐構造を持つコア糖鎖の立体選択的合成に取り組み、淋菌のコア7糖合成を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] ホウロクタケ由来ピロリ菌およびカンピロバクター菌 成長阻害物質2022
Author(s)
Tsuyoshi ICHIYANAGI, Yuuki YAMAMOTO, Rikako HIRAOKA Haruka YAMANIHA, Maki TANIGUCHI, Kozue SOTOME, Yoshimasa TANIGUCHI, Atsushi ISHIHARA and Tadanori AIMI
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Journal Title
日本きのこ学会誌
Volume: 30
Pages: 68-73
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Peer Reviewed
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