Project/Area Number |
22K05474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
金折 賢二 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (30273543)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 抗酸化活性 / 構造同定 / HPLC-MS / 食品 / 磁気共鳴 / 質量分析 |
Outline of Research at the Start |
抗酸化物質を多く含む野菜、果実、それらの飲料などの活性酸素消去活性は機能性食品の指標として利用されている。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と電子スピン共鳴(ESR)を組み合わせたHPLC-ESRで検出される抗酸化物質群のピークを、質量分析(MS)およびNMR法で同定して、各ピークの抗酸化活性値と抗酸化物質との相関関係を明らかにする。さらに、混合物試料のHPLC-MSによる成分分析のスペクトルのパターン解析を進めて、主成分解析などの多変量解析を用いた抗酸化活性予測するシステムを構築する。食品の全抗酸化活性を表す抗酸化物質マップをつくり、機能性表示食品の科学的エビデンスの視覚化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
HPLC-ESRで示される抗酸化活性の各ピーク中に含まれる化合物を質量分析法(MS)と核磁気共鳴(NMR)法で決定し、さらに、HPLC-MSシステムを構築して各ピーク中の抗酸化物質を確定する。それらの結果をもとに、抗酸化活性予測システムを構築し、応用研究をとおして検証して汎用性を確認することが目標である。2023年度においては、以下の①~③の実験について研究を進めた。 ① 特定野菜となったブロッコリーについて、詳細な研究をすすめ、水溶性成分と脂溶性成分を分別して、水溶性部分についてスーパーオキシドラジカルに対してのHPLC-ESR測定を実施した。三次元クロマトグラフィーを用いて紫外-可視(UV-VIS)スペクトルを同時測定しながら抗酸化物質を分取して、MSとNMRを用いて構造同定をすすめた。さらに、ブロッコリースプラウトについても実験を進めた。それらの試料溶液から、HPLCからの溶出物を固相抽出、濃縮してNMRで同定し、複数のアミノ酸および核酸ヌクレオシドを同定した。 ② 2023年度においては、イオン交換型の質量分析器について抗酸化物質を選択的、効率的に同定するためのHPLC-MS装置を組み上げるため、HPLCの溶出条件とMSへの接続の流量の条件を決定した。分離検出実験を試、分離液の組成と流量を変化させ抗酸化活性物質の検出に成功した。 ③ HPLC-ESRの各ピークの抗酸化活性に対して寄与する抗酸化物質のMSおよびNMRシグナルに対して主成分解析を行うために、ソフトウェアを購入して解析をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学内共同利用のESI-TOF質量分析器は、依然として不具合で使用できないことが多いため、構造同定に支障が生じている。しかしながら、イオン交換質量分析器にHPLCを接続して分離検出が可能となったため、概ね予定通りの成果が得られている。分離したフェノール物質の抗酸化活性と酸化電位の相関についてまとめ、学会誌に投稿中である。 液体ヘリウムの高騰により、NMR使用料金がかさんでいるため、今後はより効率的な使用が必要となってきている。また、HPLC-MSで使用しているイオン交換質量分析器も、かなり年数が経っている機器であり、故障した場合には進捗が遅れる可能性がある。大学全体の予算申請によって質量分析器の更新を進めており、それらが採択されれば感度も改善されて、よりよい結果が得られる可能性もある。
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Strategy for Future Research Activity |
野菜の水溶性成分のHPLC-ESRスペクトルにおける抗酸化活性を示す化合物について、今後も構造同定を進めてデータを蓄積していく。抗酸化活性とHPLCのMSスペクトルについて、主成分解析を行って、HPLC-MSスペクトルから抗酸化活性を予測するシステムの構築を始める。新規の野菜についてHPLC-ESR実験とHPLC-MS実験を行って、予測システムを検証する。 応用研究としては、食品の高圧処理による抗酸化活性評価と、アントシアニンを豊富に含む紅芋(飯尾醸造提供予定)を試料として用いて分離検出条件を検討し、HPLC-ESRで配糖体の抗酸化活性評価、および、HPLC-MS実験をおこなう。
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