Project/Area Number |
22K05477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
島村 裕子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (60452025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 修一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (40336657)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / ブドウ球菌エンテロトキシンA / 膜小胞 / ポリフェノール / 遺伝子伝播 / エンテロトキシン |
Outline of Research at the Start |
黄色ブドウ球菌の毒素 (SEA) 遺伝子は、バクテリオファージを介したDNAの伝達によりSEA産生株からSEA非産生株に伝播する。また、黄色ブドウ球菌の病原因子は、菌自身の細胞膜により構成される膜小胞にも内包されているが、SEA産生株の膜小胞の特性を網羅的に解析した報告はない。そこで、本研究では、黄色ブドウ球菌のSEA産生株由来の膜小胞に着目し、SEA遺伝子の伝播機構について解析する。さらに、SEA産生株由来膜小胞のSEA遺伝子伝播の頻度を含めた毒性の変化を引き起こす因子について明らかにすることで、食中毒菌由来の膜小胞をターゲットにした食中毒制御法確立のための基盤となる知見を得ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
【方法】S. aureus No.29株 (SEA産生株) 由来のSEAファージにコードされる遺伝子が検出されたMVsを破壊した後、SEA非産生株に添加して、MVsを介したSEA遺伝子の伝播について検討した。菌体の遺伝子発現とMVsの性状との関係を明らかにするために、No.29株の遺伝子発現パターンを網羅的に解析した。遺伝子発現パターンの結果をもとに、6 (対数増殖期)、17 (定常期) および24 (死滅期) 時間のNo.29株の培養上清から各MVsを調製し、その性状を比較解析した。また、ポリフェノールを添加した培地でNo.29株を培養して調製したMVsの性状について、SDS-PAGおよびnano-LC-MS/MSを用いて解析した。 【結果】EDTA処理にて破壊したNo.29株由来のMVsをSEA非産生株に添加して、培養したところ、SEA非産生株の一部にSEA遺伝子が検出され、SEA産生能を有することを確認した。MVsの性状に関わることが予想されるS. aureusの病原因子であるseaおよびRNAIIIは4時間、膜流動性に関与するpsmα1およびpsmα3は8時間で発現量が最大となり、細胞膜合成関連遺伝子であるdltD、mprF、pgsAおよびcls2の発現量は、6時間で減少した。異なる増殖段階のNo.29株の培養上清よりMVsを調製し、粒子径を測定したところ、差は認められなかった。しかし、培養17時間で調製したMVsは安定性が高く、自己溶菌酵素であるbifunctional autolysinやタンパク質のフォールディングに関与するchaperonin GroELが多く内包されていた。また、ポリフェノールを添加した培地で調製したMVs中で内包量が減少したタンパク質を解析したところ、血液凝固作用を有する病原因子であるstaphylocoagulaseなどが同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通り目標を達成できている。EDTA処理にて破壊したNo.29株由来のMVsをSEA非産生株に添加して培養したところ、SEA遺伝子が伝播することを確認できたことから、当初の予定通り、SEAファージが伝播する株としない株の全ゲノムを解読する。また、異なる増殖段階のNo.29株の培養上清より調製したMVsを細胞に添加し、MVsの毒性について調べる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、主に以下の2項目について研究を進めていく予定である。 1) 異なる増殖段階のNo.29株の培養上清およびポリフェノールを添加した培地で調製したMVsを細胞に添加し、MVsが誘導する炎症関連遺伝子の発現量の変動について明らかにする。 2) SEAファージが伝播する株としない株の全ゲノムを解読し、SEAファージの宿主菌への吸着メカニズムについて検討する。
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