気孔開閉運動を制御する新奇カルシウムシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
22K05560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38060:Applied molecular and cellular biology-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宗正 晋太郎 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (20641442)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 気孔 / 孔辺細胞 / カルシウムイオン / イオンチャネル / シグナル伝達 / 環境ストレス応答 / カルシウム / 環境応答 |
Outline of Research at the Start |
植物の葉の表皮に存在する気孔は、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みや蒸散による水分放出を調節する重要な場所であり、植物は気孔の開度を厳密に制御することで周囲の環境変化に適応している。気孔閉口を制御する孔辺細胞シグナル伝達において、カルシウムイオンがセカンドメッセンジャーとして機能することが古くから知られているが、カルシウムイオンによる気孔閉口シグナル伝達の調節機構の詳細は不明である。本研究では申請者がこれまでの研究で同定した気孔閉口シグナル伝達にかかわる新規候補因子の機能解析を行うことで、カルシウムイオンによる気孔開閉運動の調節機構の全容解明を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物の葉の表皮に存在する気孔は、一対の孔辺細胞からなる小孔であり、開閉運動を行うことでガス交換を調節する。孔辺細胞細胞質のカルシウムイオンは、気孔開閉運動の調節を行う孔辺細胞シグナル伝達において重要なセカンドメッセンジャーとして機能することが古くから知られている。本研究では、孔辺細胞シグナル伝達においてカルシウムイオンの輸送と感知に関与すると考えられる新規カルシウムイオンチャネル・細胞質カルシウムイオンセンサー候補因子の機能解析を進めている。シロイヌナズナT-DNA変異体コレクションからノックアウト変異体を得ることができなかったいくつかの遺伝子について、CRISPR/Cas9システムを用いて多重ノックアウト変異体の単離を行った。得られた多重変異体の気孔表現型解析を行い、候補遺伝子の機能重複を明らかにした。以上の植物の表現型解析により、気孔開閉運動の制御に関与することが明らかとなったGCMを含むカルシウムチャネル候補遺伝子について、アフリカツメガエル卵母細胞やHEK293細胞を異種発現系として用いた電気生理学実験を行い、イオン輸送活性の評価を試みたが顕著な活性は検出されず首尾に終わっている。そのため現在、タバコやシロイヌナズナの葉肉細胞プロトプラストなど発現系を植物に変更することを視野に入れて研究を進めている。細胞質カルシウムイオンセンサー候補因子であるキナーゼAについては、カルシウムイオンに依存した活性酸素種の蓄積に関与することを示唆する結果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム編集により、シロイヌナズナ多重ノックアウト変異体を単離することができた。強い表現型を示す変異植物体を得られたため、詳細なシグナル伝達の解析が容易になった。
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Strategy for Future Research Activity |
植物細胞を発現系として用いた電気生理学実験によりカルシウムイオンチャネル候補因子のイオン輸送活性を評価する。キナーゼAにかんしてはリコンビナントタンパク質を用いた活性評価を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)